唐人町ギター教室では、楽譜が読めない初心者の方からプロを目指している上級者まで、現役プロミュージシャンが丁寧に指導致します

Blog

”コンサート”(その2)

 
当教室主催「バロック音楽のひと時~リコーダーとリュートで紡ぐヨーロッパの喜怒哀楽」
おかげさまで無事終了致しました。多数ご来場いただき誠に有難うございました!!
 
すてきなコンサートでした。
バロック当時のヨーロッパ4強国(フランス、イタリア、イギリス、スペイン)にそれぞれ
”喜怒哀楽”のイメージ要素を重ねて選曲し、数種のリコーダー、ルネサンス・リュート、
テオルボ、バロック・ギターを駆使した贅沢なコンサート、、、。
やはりキャリアを積まれた方々ほどチャレンジするもんですな。
プログラムは以下の通り。
 
 
*カルロ・テッサリーニ(1690-1766 イタリア)
《フルートと通奏低音のためのソナタOp.1-9》
*ジョバンニ・アントニオ・バンドルフィ・メアッリ(ca.1630-ca.1670 イタリア)
《ソナタOp.4-4 ”ラ・ビアンクッチャ”》
*ジョン・ダウランド(1563-1626 イギリス)
《流れよ、わが涙》
*ヘンリー・パーセル(1659-1695 イギリス)
《無伴奏リコーダーの為のプレリュード》
《「おお、泣かせてください」(オペラ『妖精の女王』より)》
【休憩】
*ジャック=マルタン・オトテール(1674-1763 フランス)
《アルマンド<滝>とロンド(フルート組曲ト長調より)》
*フランソワ・クープラン(1668-1733 フランス)
《恋するうぐいす》
*ロベール・ド・ヴィゼー(ca.1655-1732 フランス)
《テオルボの為の組曲 ト長調》
*ヤコブ・ファン・エイク(ca.1590-1657 オランダ)
《イギリスのナイチンゲール》
*ガスパル・サンス(1640-1710 スペイン)
《トランペット/エスパニョレッタ/カナリオス》
*ディエゴ・オルティス(ca.1510-ca.1570 スペイン)
《レセルカーダ1番/レセルカーダ2番》
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
”主催者” としての裏話をひとつ、、、。
「主催」というのは身体(特に心臓)に良くないですな、、、。
2月12日のコンサートでしたが、コンサート10日前の時点で、チケットは20枚ほどしか
出ておらず、「う~ん、これでは経費(会場費、チラシ代、プログラム印刷代、その他諸々)
差っ引いたらギャラが払えん、、、」という状態。
ところが、コンサート4日ほど前から予約がどんどん入りはじめ、最終的に70名を超える
お客さんに、、、。当日の会場は、いい感じの満席状態になりました。
 
演奏家のお二人が今回かなり宣伝してくださったのが、数日前から一気に花開いた感じで、
ありがたい反面、対応に大わらわでした。
ひとつだけ贅沢を言わせてもらえば、「みんな、もっと早くチケット買って主催者を夜眠れる
ようにしておくれ~!」う~ん、やっぱりこれはぜいたくな望みか、、、。
 
あと「あまり売れてなくて困ってるのヨ。ぜひぜひ来てください!」と私に半分泣きつかれて
来てくださった生徒さんへ、、、。
「 ”少ない” というから来てやったのに満席じゃねーか。これは新手の”キテキテ詐欺”の類い
かあ?」などと思わないでください。結果いいコンサートだったでしょ?
くれぐれも私を『ギター界のオオカミ少年』呼ばわりしたり、『被害者の会』を発足されません
ように、、、。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
《演奏者側によくある勘違い》
「音楽の演奏のクオリティが ”コンサート成功” にとって最重要事項だ」
 
 
勿論演奏者はそこにエネルギーを注ぎ込むのが役割であるし、演奏者にとってはそれが最重要
事項でいいのだが、コンサートというイベント全体から見れば、それは一部分に過ぎないので
ある。過去のブログにも書いたが、演奏者にとって ”ダメな演奏” でも客席が大喜び、のことも
あれば、絶好調だぜ、オレたち!という演奏にもかかわらず、客席が盛り上がらないことも
ある。これは主催者およびミュージシャンが、そのコンサートの情報をどのように伝え、どの
ように会場にお迎えしたお客さんの集まりなのか、、、の結果であることが甚だ大きい。
 
 
コンサートの盛り上がり方にも数種類ある。
「音楽の演奏内容に客席が感動」し、盛り上がることもあれば、「誰トカさんの息子さんが、
なんかよくわからんけどステージでカッコよく弾いてる」ことで盛り上がる場合もある。
それはどのように声掛けして来ていただいたお客さんなのか、というプロセスが影響している
のは言うまでもない。
“どちらが理想” という話ではなく、主催者や演奏者が、その ”盛り上がり” が何に起因するもの
かを自覚していることが大切である。
 
ミュージシャンが「音楽と演奏のクオリティ」だけを問題にするのだったら、別にそれを人前で
やる必要はない。
家でミュージシャン同士だけで集まって ”音出し” すればよい話である。
”人前でのコンサート” を開催するに当たって、最も重要なことは「チケットを売ること」で
あり、主催に敬意をはらい、お客さんに「自分たちの好きな曲をどのようなかたちで提供
するか」に心を砕く方が先である、、、と46歳を目前にした(?)私は思うのである。
 
(つづく)
 
 

カテゴリー:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です