今、北九州から帰ってきた。
昨日からの二日間、ここまで充実した時間を過ごせるとは、正直予想していなかった。
11月4日のJ.L.ゴンサレス追悼コンサート『マエストロから引き継いだもの』そして11月5日『岩崎慎一&富川勝智レッスン会』(共にK・I 企画主催)。そのどちらもが濃密な時間だった。
一日目のコンサートは、配布されたプログラムに出演者それぞれの思いが綴られた上で、一切のステージ上MC、途中休憩およびアンコールが排除された、まさにソロギター演奏の音のみが響き渡る、神聖で荘厳なものだった。かといって各演奏は大上段に振りかぶったかのような仰々しい感触は一切なく、三者三様の自然体の中にホセ・ルイスの世界がDNAとして確実に受け継がれているのを、強く再確認できる内容だった。
【演目】
アラビア奇想曲(タレガ)、前奏曲第一番、ワルツ・ショーロ、ショーロス第一番(ヴィラ・ロボス)、『イ短調組曲』よりサラバンド(ポンセ)~池田慎司
アルフォンシーナと海(ラミレス / ゴンサレス編)、シャコンヌ(バッハ)、朱色の塔(アルベニス)~岩崎慎一
エストレリータ(ポンセ / ゴンサレス編)、煙が目にしみる(カーン / ゴンサレス編)、夜明け(ゴンサレス)、プレリュード(トロバ)、散歩、ロートレック讃歌(デ・ラ・マーサ)~富川勝智
そこにあったのは、マエストロ・ホセ・ルイスのもとで若い日、共にあこがれながら共に学び、いまだに研鑽を止めることなく、すでに自分達が円熟の領域に達していることを微塵も自覚していない3人のマエストロの姿だった。
そしてそのことをハッキリと裏付けたのが、本日おこなわれたレッスン会における《音楽》《ギター》《演奏》に対する彼らのまなざしの深さである。長年の知り合いであるこの3人が、私をひとり置いて、すでにマエストロの領域に入ってしまったことに、寂しさと嬉しさの両方を感じた、なんとも複雑な想いの二日間だった。
岩崎レッスン:「しおれた心(ポンセ)」河野美香、「練習曲第一番(レゴンディ)」増永英知、「トリーハ(トロバ)」益子朋子
富川レッスン:「ブエノスアイレスの夏(ピアソラ / アサド編)」辻畠聡子、「前奏曲第一番(ポンセ)」本郷滋子、「椿姫による幻想曲(タレガ)」近藤マサキ
2023.11.05.
社会復帰に時間がかかりそうな、濃厚な時間でした。
前回のブログから続く、先生のご縁のお陰です。
貴重な体験もさせていただきました。
ありがとうございます。
S.Hongoさま
コンサートもレッスン会も素晴らしい時間でしたね。
ご参加いただき、いいアドヴァイスを引き出してくださった受講生の皆様にも感謝しています。