唐人町ギター教室では、楽譜が読めない初心者の方からプロを目指している上級者まで、現役プロミュージシャンが丁寧に指導致します

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秋の本番ラッシュを終えて

 
いや~、涼しく(というか時間帯によっては寒く)なりましたね。皆様お元気でお過ごしで
しょうか?
私事でありますが、本日をもってようやく本番ラッシュにひと区切りがつき、明日から教室も
通常営業に戻る感じです。
私にとっては比重的に「レッスン」が日常であり、「本番」は非日常なものなのだな、と強く
感じたこのたびのラッシュでございました。
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前回のブログ以後のことを少しだけご報告したい。
鹿児島でシャンソン歌手、愛川智子さんと演奏。やっぱり素晴らしい、というか大好きである。
この方の唄は、、、。
まさに充実と至福の75分であった。
 
 
その翌日、神奈川に移動し、フォルクロリスタ木下夫妻のお車でふくしままでの旅、、。
日本最大のフォルクローレ・フェスティバル ”コスキン・エン・ハポン” に今年も出場。
初日のパレードは(私が参加して初めてのことだが)土砂降りに見舞われ、子供達も大人達も
ずぶ濡れになりながらの行進となった。はじめは軒下などに身を潜め楽器が濡れないように用心
していたが、子供たちが雨に身をさらしているというのに自分だけ雨を避けようとしているのが
次第にみっともなく思え、ええい、かまうものか、、、と半ばやけくそで山木屋小学校の皆さん
とひたすらハイテンションの「花祭り」を繰り広げた。こんな時の木下さんのリードの仕方は
見事の一言に尽きる。
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しかし今回の《ずぶ濡れパレード》で大きなことを学びましたよ。
すなわち「土砂降りの雨の中ギターを弾くとギターがどのようになるか?」
これはさすがに現代ギター社でも実験していないことなので、貴重なレポートとして後世に
語り継がれることでしょう。ちなみに今回の使用楽器は松村雅亘《1992年製》。
(天国の松村さん、御免なさい! なりゆきですのよ、あくまでも。)
 
 
まず楽器がボディ、弦、ともにずぶ濡れになった状態でギターが楽器として響くか?ということ
がありますが、ちゃんと響きます。そしてここが一番今回の発見だったのですが、雨に濡れた
低音弦は多量の水分を含み、その後乾いても使い物にならないだろうと思っていたのですが、
そうでもないのです。ホテルに戻ってボディと弦を乾かした後、弾いてみたら弦は死んでません
でした(その日の夜のコンサートでもそのままでいけました)。
以上のことから推察するに、低音弦がバテたり死んだりするのは「弦が伸び切った時」
「汗に含まれる塩分や手の脂汚れの付着を放置した時」であり、「雨や水道水などの水分に
よって弦がバテることはおそらくない」ということです(ちなみに今回の使用弦はプロアルテ社
ノーマルテンション)。
 
ちなみに塗装ですが、セラック・ニスのタンポ仕上げ、一部溶けました。
その他の被害状況としましては、乾燥後糸巻きが多少ギシギシいいますが、これは歯車に
「油を注す」もしくは「石鹸を塗る」ことで何とかなるでしょう。
あとヘッドに装着していた《チューナー》は雨に濡れたせいで故障し、ダメになりました。
以上『楽器ずぶ濡れレポート』でした。
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その日のうちに乾かしたギターで夜のコスキンゲスト演奏に出場。木下氏と楽しく演奏。
翌日は福島県川俣町にある「羽山の森美術館」でフェスティバルの創立者のおひとりである
長沼康光さんの追悼演奏を木下氏、東出氏(創立者のおひとり)と3人で行う。
そして10月10日(月・祝)の夜には福島駅近くのバー、「マジー・ノアール」でバンド
ネオン奏者、小川紀美代さんと木下氏と3人でコンサート。ボリビアの曲、ペルーの曲、木下氏
の曲に加えて、タンゴナンバーの数々も楽しく演奏、、、。
木下ご夫妻、小川さん、マスター五十嵐さん、主催してくださった菅野ご夫妻、競馬記者の高橋
さん、中野屋さん、そしてご来場くださった皆様、本当にありがとうございました!


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その後帰福し、久留米大学公開講座「ギターと共に楽しむ筑後の文学」最終回を終え、
2016年度の全4回分を無事終了。
本年度ギターソロでとりあげた曲は以下の通り。
 
《特別講座9.16.》
*赤とんぼ(山田耕作/松下編)
*プレリュード4番(H.ヴィラ=ロボス)
*筑後川(弦哲也/松下編)
*トラジ(朝鮮民謡/松下編)
 
《第一回9.27.》
*エストレリータ(M.M.ポンセ/A.ユパンキ編)
*II, I, ~『3つの小品』より(C.チャベス)
*テ・キエロ・ディヒステ(M.グレヴェール/松下編)
 
《第二回10.4.》
*キューバの子守歌(キューバ民謡/L.ブローウェル編)
*11月のある日(L.ブローウェル)
*母に捧げるグァヒーラ(N.ロハス)
 
《第三回10.14.》
*プレリュード3番(H.ヴィラ=ロボス)
*思い出~映画『夏の庭』より(S.アサド)
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そして本日10月17日(月)福岡市南区若久にあるカフェスタジオ「言の波」さんで初めての
ランチタイムコンサート。健康志向のカフェならではの食材にこだわったすてきなランチと共に
ギター演奏をお聞きいただいた。
プログラムは以下の通り。
 
《第一部》
エストレリータ(M.M.ポンセ/J.L.ゴンサレス編)
テ・キエロ・ディヒステ(M.グレヴェール/松下編)
プレリュード1番(H.ヴィラ=ロボス)
オルフェの唄(L.ボンファ)
思い出(S.アサド)
トラジ(朝鮮民謡/松下編)
赤とんぼ(山田耕作/松下編)
浜辺の歌(成田為三/松下編)
11月のある日(L.ブローウェル)
母に捧げるグァヒーラ(N.ロハス)
 
《第二部》
シークレット・ラブ(S.フェイン/武満徹編)
エステューディオ(A.ルビラ)
ショローゾ(C.マシャード)
サウンド・オブ・ミュージック(R.ロジャース/松下編)
エン・エル・パルケ(C.ファリーニャス)
ラスト・ワルツ(L.リード&B.メイソン/武満徹編)
七つの子(本居長世/松下編)
 
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それにしても今回びっくりしたのは、ふくしまその他の地域で初めてお会いする方から
「ブログ読んでます」
と言われたこと。
「オレのブログなんて多分誰も読んでないだろうから、なんでも書いちゃえ」
と思って今までやってきたが、なんかそう言われると身が引き締まるというか、迂闊なこと
書けないというか、いたずらをみつかった子供のような気分ですな、なんか、、、。
もちろんうれしいですが、、、。
なんか不思議な気分です(そわそわ)。
 
2016.10.17.
 

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“秋の本番ラッシュを終えて” への2件のフィードバック

  1. S.Hongou より:

    松村さんギターは、先日のDUOコンサートにお使いになったものでしょうか?
    ずぶ濡れレポートは大変面白かったのですが、反りやカビが出ないとよいですね。
    (先生の、ロックなところだと、ほよーとなりました。)
    行けばよかったというコンサート(福島は無理かも)ばかりで、後悔しております。
    次回のコンサートを楽しみにしております。

    • ryuji より:

      Hongouさま
      いつもコメントいただきありがとうございます。
      「松村ギター」は先日デュオコンサートで使ったものです。
      あのギターで数々のコンクールを受け、様々な巨匠たちのレッスンを受け、一緒にフランス、キューバ、ブラジルに行き、24年間にわたり数多くの舞台を共にしてきた非常に愛着のある楽器です。
      丈夫に制作してあることに甘えて、これまでもかなりハードな扱いをしてきましたが、今回のは過酷でしたね。でもふくしまの子供たちの笑顔と引き換えなら天国の松村さんはきっと笑って許してくれます。限りないギター愛をお持ちであると同時に、松村さんとはそういう方でした。
      (いや、やっぱり笑われるか、殺されるかのどっちかしかなさそうだな。即ちゼロか百か、、、。)

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