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”影響”について

 

今朝のニュースのなかに谷川俊太郎さんの訃報があった。

 

これは順番だ。仕方がない。

 

四年前、親友が40代半ばで逝った時ほどのショックはない。

 

実際わたしの人生において そこまで意識的に触れ合ったわけではない

 

わけではないが・・・

 

最初の記憶は『鉄腕アトム』『スイミー』

三善晃の合唱曲『クレーの絵本』

繰り返し目を通した 武満徹との対談

 

直接会ったひとから必ずしも影響を受けるわけではない

逆に 直接言葉を交わしてなくとも 多大な影響を受けることもある

マイルス、セゴビア、チョムスキー・・・

 

ただ ” 影響 ” というものは 意識の届かない部分で受けていたりすることが多い

直接に会ったり 言葉を交わしたりすることで 

思考の部分ではなく

しらずしらず 五感で その影響を受けとめていたり

 

十年前 八女市政60周年記念イヴェントとして開催された

鈴木大介君をメインとした 武満メモリアム公演

特別ゲストの谷川さんが 詩の朗読と武満氏の思い出話

わたしは鈴木君と何曲かデュオ

 

演奏の時 谷川さんはステージからそのまま客席に降り 座って聞いていた

谷川さんのいる客席にむけてふたりで弾いた『死んだ男の残したものは』

 

ステージに居るわたしにとっては 非常に非日常な時間

ぼーっとしているわたしに

鈴木君とトークをしていた谷川さんが不意打ちを食らわせた

 

「松下さんは会ったことある?」

「へ?」

「武満に」

「いえいえいえ」

「ふーん、じゃ、ふたりとも ” ナマ武満 ” には会ったことないんだ」

 

 

まるで『二十億光年の孤独』最後の言葉さながらの唐突さに

僕は思わずくしゃみを 

しそうになったじゃないか・・・

 

2024.11.19.

 

 
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“”影響”について” への2件のフィードバック

  1. S.hongou より:

    忘れられないコンサートでした。
    当日は武満氏の遺品だという藍色の衣装でいらっしゃいましたが、『触りたい?』とおっしゃる谷川氏に、はい!と手を挙げた鈴木さんと先生が少年みたいでした(失礼しました)

    難しい言葉ではなく平易で柔らかな言葉で詩を紡いでいいのだと、谷川氏に教えてもらった気がします。

    • 松下隆二 より:

      S.hongou さま
       
      その記憶 まったく飛んでいます
      貴重なお話ありがとうございました(笑)

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