唐人町ギター教室では、楽譜が読めない初心者の方からプロを目指している上級者まで、現役プロミュージシャンが丁寧に指導致します

Blog

Practice

 

「練習する」

ということを皆さんどのように考えていらっしゃるだろうか?

さあ 仮に調弦を済ませたとして・・・

 

① とりあえず通して弾いてみる

② 拍子は?テンポ設定は?調性は?曲想の表示はあるか?

③ 音価は?リズムは?フレーズはどこからどこまでか?アーティキュレーションは?

④ どの弦で鳴らすのか?左はどの指で押さえるか?右はどの指で爪弾くか?

⑤ 演奏困難な箇所をどう解決するか?

⑥ 曲の時代(あるいは創作の)背景は?形式はあるか?歌ものか?舞曲か?

⑦ 作曲上のアイディアで目を引くところは?

 

とりあえずこういったことを検討するだろうか

 

振っている番号の順番に事が運ばれるわけではなく 入れ替わっても全然よいと思うし ここに挙げてみたことは別に義務ではないので ご興味あるものからやったらいいと思う 思うのだが・・・

①だけを繰り返すことに練習時間のほとんどを使い ②③④⑤に関しては まだしも ⑥⑦まで検討する生徒さんがほとんどいないのは その楽しみを充分に伝えきれていないこちらの力不足を感じてしまう

仮にそれらをすべて網羅したとして 練習にあたって 「どう弾くか」を決めてから セメントで塗り固めるかのように表現を固定し 磨きをかけようとするひとの これまたなんと多いことか じつはこれがプロでも多い(ギターに限らず他楽器でも多い)

それはまるで お芝居の役者が 客があらかじめ知っている名台詞を お稽古通りにバシッときめ 「いよっ!待ってました」と声がかかる世界と一緒ではないか?それは言ってみれば 曲のリアリティや感動とは関係のない 所謂「音楽とは別の世界」の出来事ではないか?

”Practice”とは”実践”であるから セメントで表現を固めてしまうのではなく 毎回べつな《表現》《方法》《手段》を探すための「遊びの時間」 つまり「試行錯誤の時間」

その時その時で探った結果 毎回おなじ表現になるぶんには リアリティは死なないが セメントで固定するのは リアリティを一気に殺すことになる 磨くんじゃない 結果が同じになったとしてもいいから 瞬間瞬間にその都度つかみとるんだ

 

2024.11.12.

カテゴリー:

“Practice” への2件のフィードバック

  1. Y より:

    先生、曲の〈リアリティ〉って?… と、一つの疑問がよぎります。
    なんとな~く分かるような…、一方で〈分かる〉など、それは誤解のような…。
    「息吹」とか「生命力」と近い(同義?)でしょうか?

    • 松下隆二 より:

      Yさま
       
      はい、「生命力」「息吹」「生々しさ」・・・
      血が通った音楽のことです

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です