唐人町ギター教室では、楽譜が読めない初心者の方からプロを目指している上級者まで、現役プロミュージシャンが丁寧に指導致します

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えっ?しゅ、趣味ですか?

「松下さん、日ごろの趣味は何ですか?」
 
 
時々この質問に出くわす時がある。
そのたびにどぎまぎしてしまう。
嘉門達夫風に言うと
「悪い事してないのにキンチョーしてしまう」
何故なのかは自分で気がついている。
 
実は私、「趣味が無い」のです。
 
 
 
わるいかよ、、、。
 
 
しかしこの一言を言うのは結構勇気がいる。
なんか、自分の“人としての薄っぺらさ”が露呈してしまう気がして、、、。
でも「趣味を持ちたい」なんて思う必要が無いくらい、仕事から精神的な
充足感を得ているのも事実である。
 
本当はこう答えたい。
「趣味は音楽鑑賞です」
一般のかたぎのひとなら、この一言で何の問題も無いのだが、
ミュージシャンが口にすると、一瞬“?マーク”が飛び交う魔法の言葉である。
 
実際ウチには何千枚のCDおよびLPがあるが、その半分が一般的に「ロック」
と、カテゴライズされるものである。
「ロック」というものが、いかに幅広く多様な世界であるかを知っている人は
プロミュージシャンでも意外と少ない。
まあそれはいい、別の機会に譲ろう。
 
 
日ごろの日常的な事を、できるだけ音楽と結びつけて考えるように
してるので、ある意味仕事と趣味の垣根は希薄である。
だが、ここまで書いてきた事を一気にしゃべるのは、聞き手もうんざり
すると思うので、最近は次のように答える事が多い。
「趣味は読書です」
 
 
私の読書はおもに移動中か就寝前に行われる。
読む速度は遅い。
目で文字を掘り進むような読み方なのでひたすら遅い。
しかも次々に読破していくのではなく、気に入った本を何回でも読む。
自分が尊敬する人の視点や思考を吸収するため読むことが多いので、
ファンタジックなものや推理ものよりは、自伝や対談集などが多い。
そういう意味では、非常にかたよった読書といえる。
最後に、私が現在も舐める様に読み続けている本を、十冊紹介して終わりたい。
 
「微光のなかの宇宙/私の美術観」司馬遼太郎(中公文庫)
「ナディア・ブーランジェとの対話」ブルノー・モンサンジャン(音楽之友社)
「マイルス・デイビス自叙伝」マイルス・デイビス/クインシー・トループ(宝島社文庫)
「武満徹対談集/創造の周辺」(芸術現代社)
「古楽とは何か/言語としての音楽」ニコラウス・アーノンクール(音楽之友社)
「9・11/アメリカに報復する資格はない!」ノーム・チョムスキー(文春文庫)
「ジャリおじさん」大竹伸朗(福音館書店)
「西村朗対話集/作曲家がゆく」西村朗編(春秋社)
「高橋悠治対談選」小沼純一編(ちくま学芸文庫)
「あしたのジョー」高森朝雄・ちばてつや(講談社漫画文庫)
 
2013・2・3

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“えっ?しゅ、趣味ですか?” への3件のフィードバック

  1. 趣味は、読書。
    よいかと(一応、図書館司書の資格だけが、腐って持っています)
    音楽家の方々は、御職業と趣味が一つになれた、稀なるものだと思うておりました。
    人間の読書能力は、大まか四つのレベルに判れるそうです。
    絵本

    児童書

    小説

    専門書
    それから判断すると、先生の読書能力は、素晴らしいのでは?
    漫画も入ってるし♪
    先生に是非に読んでいただきたいのは、
    「夢野一族」
    です。
    香住ケ丘に、杉山農園という広大な土地がありました。
    明治、大正、昭和初期と跳梁跋扈した、杉山茂丸が、息子の夢野久作に与えた土地です。
    夢野はそこで、父親への屈折した思いを描きながら、稀代の小説を世に出しましたが、
    48という若さで死亡しました。
    その息子、龍丸は、インドの緑化に務めました。
    葦書房よりの出版です。
    機会があれば、お目通しください。
    ちなみに私は、
    乱読でありました。はい。

    • ryuji より:

      「夢野一族」ですね。是非読んでみます。
      杉山農園って何丁目の辺りでしょうね?
      実家が2丁目にございまして、香住ヶ丘は子供の頃から
      シマです。
      しかし「図書館司書の資格」ですか、、、。
      すごいですね~。
      またいろいろ教えて下さい。

  2. ちなみに、こちらのサイトに杉山農園の説明があります。
    http://www1.kcn.ne.jp/~orio/main/shigemaru/shigemaru12.html
    四万坪ですから、二中や唐原、あの辺りは全て地所だったようです。
    お邪魔いたしました。

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