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重い?軽い?(その1)

 
いえ、、、ご安心下さい。体重についてではありません。
ひとの<気質>について最近よく考えるのです。
<性格>と言うとちょっと違う気がする、、、、、う~ん、やはり<気質>の話です。
 
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「ひとの気質」というものは、(非常におおざっぱで申し訳ないが)重いか軽いかのどちらか
しか無いと思う。
この場合わたしが「気質」と呼んでいるものは、時間をかけて形成された<性格>や<知性>
あるいは<スタイル><たたずまい>とは別なものである。
いわばそのひとが生まれたときから背負っている<反射のスピード>とか、あるいは「外界から
受けた刺激」を自分の中に取り込むさい、反芻し味わうために必要とする<時間や深さ>の
個人差のことである。
 
 
 
何故いきなりこんな話をするかというと、一週間くらい前わたしにとって身近な知り合いと
話しているとき、彼が「自身の気質の軽さ」に対してある劣等感を背負っていることが判明した
からである。彼曰く「きみから”軽いヤツ”と思われたんじゃないかと、、、、、」
その言葉が引き金となって、以来「軽いことの価値」について考え続けているのである。
そして考え続けた結果(今も考えているが)、わたしなりに冒頭の結論に至ったのである。
 
すなわち「ひとの根本的気質としては、重いか軽いかのどちらかしか無いのじゃないか」
ということ。
そして当然そのどちらにもメリット、デメリットがあるということ。
そう思いながら、尊敬する(もしくは身近な)ミュージシャンやギタリストを見てみると結構
面白かった。
ここからは異論を唱える方も多いと思うが、わたしの独断と偏見による「根本的気質」による
ギタリスト分類を試みた。勝手に振り分けられてしまった皆様、ごめんなさい。
 
 
*重い気質の人(敬称略)
アンドレス・セゴビア、ジョン・ウィリアムス、木下尊惇、山下和仁、レオナルド・ブラーヴォ、
鈴木大介、、、
 
*軽い気質の人(敬称略)
ミゲル・リョベート、アグスティン・バリオス、ジュリアン・ブリーム、福田進一、尾尻雅弘、
池田慎司、、、
 
 
これを見て、えっ?と思われる方も多いにちがいない。
「重いって言ったって山下さんでもブラーヴォさんでも”すごく速く指動く”し、ブリームさんに
したって福田さんにしたって”重厚で深い表現”をするじゃない」
 
そう、その通りである。つまりその道の名手というのは、<自分本来の気質>とは逆の気質も
兼ね備えてるひとたちなのだ。
上に挙げたひとたちは皆さんそうでしょ?
そしてわたしは彼らの演奏に接するたび、このように教えられている気がする。
 
 
バランスをとるためには「軽い気質」のひとは、何かしらの<美学>ないし<人生哲学>が、
「重い気質」のひとは、何かしらの<フットワークの軽さ>と<明るいユーモア>が必要
だ、と、、、。
 
 
さあ、あなたはどっち?
 
 
(つづく)
 

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“重い?軽い?(その1)” への4件のフィードバック

  1. 伊藤久美 より:

    んん~難しい話だなぁ・・・
    ちなみに、史厳くんは 軽い?重い?(笑)

    • ryuji より:

      難しい話になっちゃってごめんなさい!
      おたくの旦那はひととしての根本的気質は「軽やか」だと思います。だからあれだけヘヴィーな曲を作ってバランスをとってるのですよ(笑)。
      そしてわたしは気質が逆だから一緒にやってて楽しいのです。

  2. 江島 より:

    言い得て妙。とても同感します。例えたギタリストも全ての方は存じませんが、僕の知る限りで言えば同じ分類になります。良い悪いの分類でなく、どちらもバランスが必要だと纏める松下さんは流石です。

    • ryuji より:

      江島さん、読んでくださってたんですね、とてもうれしいです。(しかも初コメント!)
      さまざまなライヴ、コンサート、リサイタルそしてレコーディングを通して、その素晴らしい耳と感性でほんとに数多くのギタリストを聴いてこられた江島さんのお言葉としてしっかり受け止めさせて戴きます。
      そうなんです。そうだと思うんです。決して良い悪いの分類ではなく自分の気質に違う気質をミックスさせることで幸せな結果になるんじゃないかと、、、。
      山下さんの凄さはあの重い質感の音をあのスピードで押していけることだと思うんです。レオさんにもそれを感じます。ジョン・コルトレーンなんかと同じですね。
      でも鈴木君のバランスの取れ方はまたちょっとタイプが違いますね。反射が重い分、音のピントを福田さんのようにせばめるのではなく、逆に広げることで独特の軽さを醸し出す事に成功してますね。
      バランスの取れ方や解決法もほんとに人それぞれなので面白いと感じます。

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