日ごろ自分が携わっている分野(私の場合つまりクラシック)以外のミュージシャンと
共演するのは私は大好きだし、“クラシックギタリスト”の中ではそういった機会が比較的
多い方だと私自身思っている。
クラシック以外で今まで積極的にやってきたものは、フォルクローレ、シャンソン、ブラ
ジル音楽、ジャズ、ロックなどである。
だがそのいずれもがちょっと深入りしようとすると、目の前に巨大なものが立ちはだかり
視界を遮る。
その正体は、それぞれの世界に固有の「暗黙」という名の壁である。
音楽に限った事でなく、何か物事に習熟しようとする時、人は意識的あるいは無意識に
その世界の「暗黙」を手に入れることを目指している。
あるコミュニティーに属していて、皆が共有している暗黙を自分が知らないと気付いた時
の、居心地の悪さ、気まずさといったらない。
私の場合、初めの「気まずさ」の次に来るものは、暗黙の世界の持つ「おごり」、「理不
尽さ」に対する怒りである。しかし結局「怒り」では何も解決しない事を徐々に感じなが
ら、黙々と学習する姿勢に切り替えてゆく。(しかし私の“学習エネルギー”の根源には、
それぞれの世界の「暗黙」に対する恨みや怒りがあるのは間違いない。)
しかしそうやって学習していくうちに、ふと自分が「暗黙」に守られていると感じる瞬間
がおとずれたりする。そこは本来自分が憧れ、目指していたはずのところだが(そして
自分にとって居心地がいいはずのところだが)、いや、やっぱりちがう。まるでいじめら
れていた自分が、今度は別の誰かをいじめてるような、、、、、、。
そこまでたどり着くと、今度は“暗黙”の持つ「おごり」「 権威」「理不尽さ」を中から
ぶち壊したくなる。
私にとってクラシック音楽も決して例外ではない。
結局、怒りを原動力にしながら常に「暗黙の壁」に対し、戦いを挑む非力な自分がいる。
パンクな私に誰がした?
2013.8.21.
「暗黙」という壁
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全く同感。よくわかります。会社組織の中も一緒です。自分もそんなpunksのひとりです。進んで行きませう。頑張ってください。ガンバレ俺。
dさんへ
早速のコメントありがとうございます。私は自営業ですが、それでも「音楽すること」にたどり着く前に、整理しなければならない様々なしがらみや雑務がありますので、会社組織の方のご苦労はいかばかりか、と思います。でも、そうです。それでも進んで行きませう。ガンバレあなた。私も頑張る!
Solo x 2 & Duoにお邪魔しました。ヨルバ音楽は胸に響きました。フルアコの内省的な音。クラギの縦横無尽な立体的な音。見事に絡んで素敵でした。ウン・ポコ・ローコに意表をつかれ、酒バラでの松下さんソロのフレーズに♪ツイタ♪ツイタとグラント・グリーンの常套句が出た時には思わず膝を叩いてしまいました。このライブ、シリーズで続けて欲しいのがワタシの希望です。
次回、ライブにお伺いする時は、ポケットにフィニシングペーパー忍ばせて、最前列で見るようにします。ご入用の際は声をかけてください(^^)1500番でよかったですかね⁈
え~っ?昨日来て下さってたのですね。客席にいらっしゃったどの方がdさんなのかわからず、ろくに挨拶もせずに失礼しました。
H.アングロ作曲「ヨルバ族の唄」は96年ハバナに行った折のコンクールの課題曲で(私は出場はしませんでしたが)キューバの若者たちの素晴らしい演奏が17年経った今も私の中で鮮明に鳴り響きます。今回は抜粋ですが初めて人前で演奏させて頂きました。
B.パウエル作曲「ウン・ポコ・ローコ」はプログレ小僧だった20代前半からずっと好きな曲です。
M.ローチのドラムもいいですね。いつかやりたい曲だったのですが柔軟な柳武さんのおかげで実現しました。
アンコールの「酒バラ」、、、う~ん、緊張しますね(笑)なんせスタンダードなので「100%ジャズメン」であることを要求されてる気がしてしまうのです、あの曲だけ。
でもいつも柳武さんとの共演は多くのことを学ばせて頂けるチャンスです。
来年またやると思いますので、そのときはまたぜひお越し下さい。
ありがとうございました。