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あるコンサートについて

来たる 2022年 3月21日(月・祝)北九州市で ギタリスト池田慎司さん企画・演奏のコンサートが開催される

これはドレミ楽譜出版社『ギター名曲170選』のA巻に準拠した選曲のコンサートであるが この手のコンサートにありがちな「先生による 生徒さん達に向けた ”お手本演奏” コンサート」などではない

現在 国内のクラシックギタリストの中でも ひときわ抜きん出た楽曲分析と演奏の能力を 高い次元で併せ持っているギタリスト池田慎司

その彼が ギター愛好家の方々がこれまで手掛けてこられたであろうお馴染みの曲の数々を おそらく五感を総動員し 全身で楽しみながら 着々と準備を進めているのだ

実は私はこの日 残念ながら早くに別のコンサートのチケットを予約しており 行くことがかなわないが 絶対にお勧めである

 

 

思えば私の場合 40年以上ギターを弾いてきて 「次はなんの曲を弾くか」が関心事として常にあった

だがしっかりとした分析に基づいたうえで その曲の周りにふさわしい(と思われる)空気をまとわせることができれば もはやどんな曲を弾いても充実した時間を過ごせるのである 要するに「なんの曲に取り組んでいるか」よりも「目の前の曲をどのように弾けば 生き生きとさせられるか」に関心を向けることによって もはや目の前は宝の山であり 充実のひとときとなる

そういう意味ではブリテンの「ノクターナル」とヘンツェの「ノクターン」は 現在の私にとって同じくらい難しく 同じくらい弾くのが楽しいのだ

このたびのコンサートを企画した時点で 池田氏もきっと同じ感覚でなかろうか 現在の彼の円熟味と演奏力でもって披露される《170選A》の小品の数々は 「この曲ってこんなに素敵な曲だったのか」と目からウロコ続出の楽しい時間を表出してゆくに違いない

そう、、、 (探し回るのももちろんいいが)探し回らなくとも ”幸せの青い鳥”は もうすでに皆さんの手の中にあるのだ まだ見ぬ宝の山に思いを馳せるのもいいが すでに目の前にあるものを もっともっと愛しみ大切にしたいと思う

 

2022.03.15.

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