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2018ふくしま

 
今年も木下ご夫妻と一緒に、第44回コスキン・エン・ハポンに参加するためふくしまを
訪れた。《初日のパレード》が昨年は雨のため中止となったのだが、今年は天気にも恵まれ
地元の子供たちと共に元気に練り歩く事が出来た。関東や他県からの参加者が多いこのフェス
ティバルだが、初日のパレードにはそういった方々は参加しない。
「地元のひとしか参加できない」と思っているのだろうか?それとも興味がないのだろうか?
自分達の出番に演奏だけして帰っていく。
地元とのつながりが強い木下尊惇氏のおかげで、私の場合気安く参加させて頂いているが、
もし私も他県から一人で参加していたら、パレードへの参加は躊躇していたに違いない。
有難いことと感じると同時に、運営側もパレード参加をうながすPRをもっとやってもよいの
では?(やってたらごめんなさい)
パレードの後、昼食を食べ、”絹蔵コンサート”で木下氏と3曲野外演奏。
 
 
二日目のコスキンはお休みして、木下氏の車で山形まで足をのばしていただき酒田市にある
土門拳記念館を訪れた。写真というものに対する専門知識も無いし、これまで愛着も持って
なかったのだが、被写体と自分が一直線に結ばれるまでシャッターを切らず、ただひたすらに
待ち続ける姿勢など、残された作品を通して非常に強く心に刻まれた。まるであたかも仏像の
なかに人間のもつ生々しさを見、人間の中に仏を見い出すような彼の作品群、、、。
彼が50年代に提唱した”リアリズム写真”とは、身近な生活の中に絶対的な美を見い出そうとする
”民藝”や”フォルクローレ”の精神と通じるものがある。
 
 
その後昼食をとり、酒田市から車で数十分ほどにある鶴岡市に移動。私のかねてからの念願で
あったネルドリップ自家焙煎の名店”コフィア”への訪問が叶った(木下氏に大感謝!)。
珈琲焙煎は深煎りが技術的に難しい。もちろん店主の好みがあるが、深煎り珈琲の世界では
コフィアは現在世界でもトップクラスのクオリティである。私が足繁く出入りさせて頂いている
福岡の名店”美美”のマスターであった故森光宗男氏とコフィアの門脇祐希氏はどちらも吉祥寺の
伝説的名店”もか”で修業を積んだ、兄弟弟子のような間柄である。森光さんが他界し、青山の
名店”大坊珈琲店”が閉店してから、深煎り愛好家の私としては寂しい限りであったが、この度
コフィアの噂どおりのすばらしい味を堪能できたことで心に灯がともった。
門脇さん、ありがとうございました。これからもどうぞ末永く素敵な珈琲を作り続けてくだ
さい。
 
 
3日目の8日(月・祝)は台風も過ぎ、コスキン本会場で木下氏と20分ほどゲスト演奏。
福島県川俣町に集まった多くのフォルクローレ・ファンの皆様と木下尊惇氏とのきずな、そして
信頼が新たに結ばれる瞬間を、同じステージ上で体感させていただいた。
終わった後は客席は文字通り熱狂的な反応だった。さすがだな、、、マエストロ。
 
 
この日コスキン会場に到着してすぐに、関東でご活躍の若いクラシックギタリストのおふたり
からご丁寧なごあいさつを頂戴した。おひとりは過去に面識のある素晴らしいギタリスト
井上仁一郎さん(福島ご出身らしい)。もうおひとりは高田元太郎先生の門下である森井
英朗さん。前日に行われたコスキン日本代表審査会で今回の代表に選ばれたようで、(残念
ながら演奏を聴かせていただくことはかなわなかったが)さぞ素晴らしい演奏家にちがいない。
 
 
ふくしま滞在最終日のその日は、福島市内のBar ”マジー・ノアール”にて、コスキンのゲスト
小川紀美代さん(バンドネオン)とトリオでのライヴ。小川さんは伝説のバンドネオン奏者で
あり作曲家でもあったA.トロイロ(1914~1975)のバンドネオンを使用してのツアーを行
なっており、今回のライヴでもトロイロの楽器が使用された。
非常に濃密な時間が惜しげもなく次々と過ぎてゆくふくしま滞在であるが、今年は特にすご
かった。
今年もお会いできたふくしまの皆さん、小川さん、門脇さん、そして木下ご夫妻ありがとう
ございました!!
 
2018.10.11.
 
 
 

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“2018ふくしま” への2件のフィードバック

  1. S.Hongo より:

    いつか、コスキンに行きたいです。
    博多風にいえば、のぼせもん、なので、パレード大丈夫かな。
    土門拳の写真は、「筑豊の子ども達」が最初の出会いでした。
    訪れてみたいです。
    深煎り好き先生に、コーヒーお贈りするの、自重します。(笑)

    • ryuji より:

      Hongoさま
      小学生の頃、図書館で土門拳の写真集をひらいてがっかりした覚えがあります。
      当時香港映画にかぶれていた私はタイトルを見て《酔拳》《十八羅漢拳》のような”拳法もの”だと思い込んでしまったのです。
      あと僕の珈琲の愛好の仕方は、じつは非常に微妙でして、、、。
      僕の場合珈琲が好きというよりも
      「美美の豆(中味)を使って故森光マスターが抽出していた味にどこまで近づけるか?」
      という非常にピンポイントな趣味でして、、、(汗)。

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