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椎窓猛の世界

椎窓猛の世界今月は本番が多く、自然活動報告が多くなることをご了承戴きたい。
 
久留米大学の公開講座「ギターと共に楽し
む筑後の文学」年4回のシリーズが今年も
無事終了した。久留米大学文学部教授の狩
野啓子先生からお声掛けいただき、タッグ
を組ませていただいてからもう13年にな
る。
はじめの頃は樋口一葉作品などをとりあげていたが、その後は筑後地方出身の作家にスポット
を当てるようになり、これまで丸山豊、北原白秋、宮崎湖処子、青木繁(画家)、松永伍一、
などをそれぞれの年のテーマとして彼等の業績及び作品について掘り下げてきた。
昨年は「筑後川流域の文学」ということで古賀河川図書館館長の古賀邦雄先生をお招きし、
その時はギター演奏として「河は呼んでる」「ムーン・リバー」「禁じられた遊び」「筑後川」
のほか L.ブラーヴォ作曲「 El  rio(川)」など川にちなんだ曲を弾かせていただいた。
 
 
今年は八女市矢部村にお住まいの詩人、童話作家、小説家の椎窓猛先生をとりあげた。
まだご存命の方にスポットを当てたのは公開講座始まって以来のことで、椎窓先生ご本人も
シリーズ全4回ご出席下さり、貴重なお話をいろいろとうかがう事が出来た。
郷土の先輩である火野葦平、壇一雄、その他さまざまな方の思い出、小学校の国語教科書にも
とりあげられた短編童話「ムササビ」にまつわるお話、村の教育長時代に始められ現在も続いて
いる「世界こども愛樹祭コンクール」についてのお話など内容は盛りだくさんで、昔のことも
さることながら、現代の環境問題について警鐘を鳴らし続けるご姿勢にも個人的に共感を
おぼえた。
 
第一回目から第四回目まででとりあげた曲を列記するが、今回は椎窓先生ご本人の貴重なお話が
うかがえるというまたとない機会だった為、例年に比べて演奏時間の配分が少なくはなったが、
結果としてそれで皆様にご満足いただき、良かったと思っている。
なお第一回目にはピアニスト岸本麻子さんにもご出演いただき素敵なピアノソロ、歌の伴奏、
楽しいお話でお力添えいただいた事をこの場をお借りして感謝したい。
例年通り、参加者全員で講座各回のアタマに「ふるさと」(岡野貞一作曲)、シメに「筑後
子守歌」(青山政雄作曲)をギター伴奏(第一回目のみピアノ伴奏)で歌った。
(筑後を代表する詩人、丸山豊作詞の「筑後子守歌」もこの講座の参加者のなかでずいぶんと
定着してきた感がある。)
 
今年演奏したギターソロ曲は以下の通りである。
 
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【第一回目】2015年9月18日(金)
*赤とんぼ(山田耕作/松下隆二編)
*カモンナ・マイ・ハウス(W.サローヤン/松下隆二編)
*晩夏(三善晃)
*さとうきび畑(寺島尚彦/松下隆二編)
【第二回目】2015年9月29日(火)
*七つの子(本居長世/松下隆二編)
*子ども海彦山彦ものがたり讃歌(野田かつひこ/松下隆二編)
【第三回目】2015年10月6日(火)
*リャマ飼い達のチョケーラ(ボリビア伝承曲/木下尊惇編)
【第四回目】2015年10月17日(土)
*ミュアー・ウッズ(武満徹)
 
 
なぜ毎回自分にとって厳しい曲をとりあげ、自ら首を絞めているのか自分でも理解できない
(苦笑)が、こういう機会だからこそトライせずにはおれない(もはやビョーキである)。
でもやってよかった。個人的に苦労した曲ほど評判が良いのは演奏する側としてやはり嬉しい。
指に鈴をつけ、ヤマハのレッスン用ギターで弾いた「リャマ飼い達のチョケーラ」。
椎窓先生が昔アメリカを訪れた際、W.サローヤンゆかりの土を踏まれたエッセイに触発され、
急きょ編曲した「カモンナ・マイ・ハウス」。
武満音楽の聴きどころやポイントについて解説した後、演奏した「ミュアー・ウッズ」。
そのどれもが今回自分にとって「挑戦」であった。
 
 
むかし誰かが言っていた。
「人から批判される、ということは何かをやったことの証しである。もし人から批判されたく
ないのなら、人間なにもしないことだ。」
 
よし、つぎいってみよう!
 
2015.10.17.
 

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