【マーク・リボー】
アメリカ合衆国のギタリスト、マーク・リボー(1954~)のプレイに初めて接したのは、私が高校生の時。
トム・ウェイツの1985年のアルバム『レイン・ドッグ』二曲目の「Clap Hands」ギター・ソロを聴いた時、当時10代の私のカラダに電気が走った。
(ソロは2:00過ぎ)
エレキのソロを聴いて電気が走った経験は、これまでこれを含めて3回しかない。ただそのことについては、「人生のどの時期どのタイミングで聴いたか」が、かなり大きく左右すると思っている。まあいずれにせよ、マーク・リボーの名前がそのとき私の中に深く刻まれたのは間違いなかった。
ロック、ジャズ、フリー、、、非常に守備範囲が広いギタリストなだけに、歌手からの信頼が厚く、これまで T.ウェイツのほかにも、E.コステロ、C.ヴェローゾ、SION、D.シルヴィアン、R.プラントなどのバックを務めている。
しかしそのギター・ルーツは意外にもクラシック・ギターで、まだ10代の頃ハイチ・クラシックギターの父といわれているフランツ・カセウス(1915~1993)からギターの手ほどきを受けたらしい。当時アメリカに移住していたカセウスとは家族ぐるみの付き合いでもあり、師匠の遺産に敬意を表して作品集も発表している(楽譜も出版されている)。
私にとっての《マーク・リボーの魅力》とは、常に”粗削り”なところ。
洗練されたものに興味がないのか、あるいは意図的になのか、とにかくザラッとした印象を残す人だ。
みかけも音も常になまなましい。獣のような何かを感じる。
そしてその ”何か” が、私にとって信頼できる ”何か” なのだ。
(マーク・リボーと偽キューバ楽団)
2025.1.30.
貼り付けていただいたフランツ・カセウスの楽曲、全部聴きました。久しぶりに何度でも聞きたい曲集です。マーク・リボー氏の演奏、さりげなくていながらひたひたしみ込んでくるようです。ご紹介いただきありがとうございます。
S.hongouさま
クラシックギター専門の演奏家とは、また違うよさがありますね。幅というかあたたかみというか。