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遠くへ行きたい?(その2)

 
来たる11月7日、さいたまスーパーアリーナで行われるWBA・IBF世界バンタム級王者・
井上尚弥と世界5階級王者ノニト・ドネアによるWBSS決勝をずっと心待ちにしている私。
だがその日を迎えるまでに、こちらはあと二試合乗り越えねばならない、、、。
 
 
11月3日(日)ピアニスト権藤寛子さんとのコンサートは自分にとって特に大きなチャレンジ
でもある。曲調は軽やかで聴く分には気軽に楽しめるものばかりだが、技術的難易度としては
(わたしにとって)ヘヴィー級のプログラムである。まあ、自主企画のコンサートで守りに
入っても無意味なので今回攻めてみたのだが、結果あぶら汗と冷や汗の毎日、、、。
ただ、今回初共演の権藤さんのピアノはほんとうに素晴らしいです!
権藤さんと私の実家がある、福岡市”東区”でのコンサート。JR福工大前駅改札を出たら会場の
『こみせん和白』と繋がっておりますので是非ご来場くださーい♪おまちしてまーす♪
 
 
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今回の記事はグチではないことをふたたびお断りしておく。
上記のコンサートを企画、準備してからずっと頭にひっかかっていることがある。
街と郊外の関係についてである。
 
 
前回の記事で紹介したように、福岡市は7つの区に分かれている。
中央区の天神、博多区の博多駅周辺あたりが、市内でもっとも賑わっている所だが、一方で
空の窓口”福岡空港”の所在地は博多区にあり、空港から天神までは地下鉄にして12分、と非常に
便利なところにある。この点に関しては他の地域にお住まいの方から結構うらやましがられる。
 
 
で、なにが心にひっかかってるかと言うと、今回のコンサートのホールは東区の会場を使う
のだが、中央区近辺のお客さんの売れ行きというか反応がいまいちなのだ。
なかには「えー?東区ですか?遠いなあ、、、そりゃ無理だ」と露骨につぶやく人もいる。
逆に東区の方々は、会場が中央区だろうと西区だろうとフットワーク軽くお越しになる。
つまりこれは距離の問題ではなく、街の中心部に住んでいるひとと郊外に住んでるひとの意識の
違いの問題だとあらためて気づいたのである(この年齢になっていまさら、、、という感じでは
あるが)。
 
 
じつはこの”意識問題”は、規模ごとによる様々なヴァリエーションが各地域に存在する。
例えば福岡市在住の人間は、《長崎市は遠いところ》だと感じているひとが多いが、長崎のひと
にとって、高速バスに乗り、福岡の天神で日帰りショッピングをするというのは、そこまで
”非日常”的な話ではない。もちろん長崎に行き慣れている福岡市民もいるという前提での話で
ある。
 
 
福岡人が東京と行き来する時の意識は、東京人が福岡に対して感じている距離ほど遠く感じては
いない。
 
 
先日27日に愛媛県西条市でご一緒させて頂いた素晴らしいフルート奏者、渡部寛子さんも
おっしゃってた。西条のひとはコンサートを聴きに松山まで行くが、その逆はあまり起こり
得ない、と。
 
 
そうなるとコンサート主催者として郊外で企画する時に出来ることは、中央区のひとたちに
”郊外のすばらしさ”や”移動の際の清々しさ”を吹聴してまわるか、泣きついて同情を買うか、
郊外の有力者に協力を仰ぐか、あるいは自分のカリスマ性に磨きをかけるか、、、
しか無かろう。
 
 
心のなかの距離感覚は、田舎(あ、言っちゃった)のひとのほうが短く、行動範囲の半径は
きっと大きいのだ。都会に住むひとほど、狭い範囲内でも用が足りるので半径が狭くなる傾向に
あるのではないか?あ、ちなみにこれは里帰りなどを除外した《日常における行動半径》の
話ね。
 
 
(誰の事か簡単にわかってしまうが)知り合いのアルゼンチン人が日本に来て、初めのうちは
福岡に住んでいたが、数年後、東京に住まいを移した。
その時、鈴木大介氏が言っていたことが面白くて今でも印象に残っている。
「だってさあ、福岡だ東京だって言ったってさあ、あっちはアルゼンチンから来てるわけだから
距離的に全然変わらないわけじゃん。今回の彼の東京移住に残念がってる福岡のひともいるって
言うけどさあ、オレが留学してた時だってザルツのひとが”ウィーンの人間は冷たいし人情味が
無い”なんてよく言ってたもんだよ。」
 
 
別にこれといった結論は無いが、心の中の距離感は動き回る人ほどコンパクトなのだなあ、と
あらためて考えただけである。どちらが良いか悪いか、、、などという類いの話ではない。
 
(おわり)
2019.10.30.
 
 

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“遠くへ行きたい?(その2)” への4件のフィードバック

  1. S.Hongou より:

    あの橋を渡ると、都会の方には異界なのでしょうか。
    (福岡市東区民以外の皆さま、東区はとても広くて、ぱっつん分断するように多々良川というのが流れておりまして、そこに架かる優美な橋です。)
    がんばって行かなくても、何時か同じ企画があるかな、と思われるのかな。
    ステージは一回づつ違うので、全部みたいよくばりさんもいます。
    3日のコンサート、楽しみにいたしております!

    • ryuji より:

      S.Hongouさま
      ありがとうございます。
      当日は客席に33歳のイケメンが入る予定ですのでそちらも併せてお楽しみいただけたら、と思います(笑)。
      集客の為なら最近どんな手段でもつかう、こんな自分がいじらしい、、、

      • S.Hongou より:

        えーと、イケメンは卒業しますた。
        権藤さんのピアノを楽しみたいです!
        (デュオもソロ。ソロも)

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