唐人町ギター教室では、楽譜が読めない初心者の方からプロを目指している上級者まで、現役プロミュージシャンが丁寧に指導致します

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大丈夫か?

 
先月、福岡県内某所にて若手ギタリスト加藤優太氏と若手オカリナ奏者弓場さつき氏の結婚
披露宴がとりおこなわれた。
新郎の元師匠という義理で光栄にも主賓スピーチと演奏を仰せつかったのだが、経験のない私に
このたび意外な盲点があった。
演奏に関しては新郎のスペイン留学の大先輩にあたるギタリスト池田慎司氏とのデュオを依頼
され、演奏と主賓スピーチ込みで15分程度という話だったので、なんとなく楽観視していたの
だが、、、。
 
出番も披露宴中盤より前と聞いていたので、
「メインディッシュとデザートは精神的に落ち着いて味わえそうだ」「まあ、スピーチに
関しては、MC的感覚で乗り切ればよかろう」
ぐらいにへらへらと準備していたのだが、式前日ふと気になって《主賓スピーチ》と検索して
みたのだ。
すると【友人スピーチと違い、主賓スピーチには品格が求められます】とあるではないか!
(ガーン)。
 
品格って、、、そんな、、、金だろうが品だろうが、無いソデは振れませんがな、、、。
しょうがない。行き当たりばったりスピーチはやめて原稿でも書くか。少しは品が出るだろう。
 
うん、なかなかいい文章が出来た!しかし”いいひと”になるのはなんて骨が折れるんだ。
やっぱり日頃から”いいひと”をやっておかないと付け焼刃ではだめなんだな、、、。
 
取り敢えずひと安心してレッスン業務にもどった私。
薬品会社のお偉いさんを長年務められた生徒さんに
「いやー、明日は主賓スピーチ頼まれちゃって、取り敢えずさっき原稿書いたんです。明日は
これを読むのでとりあえずひと安心♪」
するとその生徒さん曰く
「えー?主賓スピーチは原稿読んじゃダメでしょ」
な、なんとそうだったのか!知らなかった、、、(ふたたびガーン)。
 
念のため次の生徒さんにも聞いてみよう。
次の生徒さん曰く
「主賓が原稿読むなんて、そんなみっともない真似をしてはいけません、先生!」
な、なんだ、、、この日頃の仕返しのような厳しい口調(みたびガーン)。
しょうがない、、、結構長い文章書いてしまったが、今から暗譜、いや暗記だ。
 
「リハもかねて前日から福岡に前ノリしまーす。」
と言っていた相方の池田氏がやってきた後も、練習そっちのけでぶつぶつと暗唱していた私。
途中何度かくじけそうになった。
「やっぱりもう原稿読んじゃおうか」「譜面台に置いてチラ見しながらいくか」
しかし
「いやいや、新郎新婦晴れの日だし、、、」「ヒンカクヒンカク、、、」と踏みとどまった
けな気な主賓。
 
当日行きがけの電車内でも池田氏に
「ごめん、しばらくそっとしといてくれ」とお断りしてぶつぶつ、、、。
 
駅に到着し、式に御出席のオカリナ奏者、和田名保子氏に遭遇しつつも、
「すみません、スピーチあるもんで、、、」とお断りしてぶつぶつ、、、。
 
会場に到着し受付を済ませた後、柱の陰に隠れてぶつぶつ、、、。
この記憶力を駆使すれば、小品3曲は暗譜出来るだろう、というくらい脳みそとの果てしない
戦いが続いた。
 
そうして演奏そっちのけでむかえた”本番”(もはや新郎新婦もそっちのけのような心境か)。
途中、文をひとつ飛ばしましたが、まあ品格は保てたかな、、、かろうじて、、(おほん)。
 
2018.5.19.
 

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“大丈夫か?” への2件のフィードバック

  1. S.Hongo より:

    複雑にして大変な暗譜をなさる先生が、かようなご苦労を、と言うお姿に、すみません、笑ってしまいました。
    (演奏より、スピーチするほうが、楽な、舌先人間な、私。)

    • ryuji より:

      Hongoさま
      これはこれは、、、日頃の仕返しのような厳しい口調だったHongoさま(笑)。このたびおかげさまでよい社会経験させていただきました。

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