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2020木下尊惇 福岡ツアー

 
神奈川県秦野市在住のフォルクロリスタ木下尊惇さんの福岡ツアーが昨日無事終了しました。三つの会場それぞれに足をお運びくださったみなさまに心から感謝いたします。
いつもは素敵な歌声を聞かせてくれる木下氏のコンサートですが、今回は飛沫防止の配慮から、全編歌なしのインストゥルメンタルによるコンサートとなりました。でもそれが結果的に氏の器楽演奏のすばらしさを堪能できるよい機会となったとも言えると思います。
 
ひとつ目の会場、福岡市東区の千早なみきスクエアでのコンサートでは、五十代後半の木下氏と四十代後半の私に加えて、縦石佳久、加藤優太という二人のクラシックギタリストに参加してもらい、三十代後半、二十代後半その時その時の”旬”というものを彼等から加えてもらうことにより、奥行きのあるコンサートとなりました。
氏と同じステージ上(木下氏の横)で体験したさまざまなことは、一緒に演奏した彼等にとってはきっと忘れられない宝として残り続けるはずです(もちろんわたしにとっても)。
 
ふたつ目の会場は北九州市守恒にある音楽Goya(池田慎司主催)。
木下氏のギター&チャランゴ演奏に、池田慎司さんのギターと池田国昭さんのマンドリンが加わり、非常に成熟したアンサンブル演奏が展開されました。聞けば木下氏が生活したボリビアでは「伝統的なスタイルとして、この編成(チャランゴ・マンドリン・ギター)が存在した歴史がある」とのことです。実際このトリオによる今回のリハーサル動画は、氏のフェイスブックを通じてボリビアから非常に大きな反響があったことをここに報告しておきます。
あと個人的には池田慎司さんがご自分のマルセル・バルベロ・イーホを使い、木下氏とデュオで奏でた「月のテーマ(木下尊惇)」の演奏は、このコンサートの白眉であったと思います。
 
そして三つめの会場は福岡市内の珈琲の名店”美美”でのコンサート。
店主の森光宗男さんが急逝されて、美美で予定していた木下氏のコンサートを急遽追悼コンサートとして別の会場で行なったあの日からすでに四年の歳月が流れていましたが、このたびやっと実現できたことは個人的にも感慨深いものがありました。
マスターがお好きだった熊谷守一の絵にかこまれ、珈琲の香りも高いその空間で、木下氏のチャランゴとギターが美しく鳴り響き、私もそのお供をさせていただきました。
 
どの会場もそれぞれの空間、それぞれのお客様、そしてそれぞれの演奏、、、、
そのすべてが濃密な時間で満たされ、消えてゆき、その場に居た人たちの記憶のなかに静かに沈んでゆきました。
 
2020.12.15.

 

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“2020木下尊惇 福岡ツアー” への2件のフィードバック

  1. 木下尊惇 より:

    今回も、何から何までお世話になりました。
    この時期に……コンサートを主宰していただけたこと、たくさんの方々にお越しいただけたこと、そしてそれぞれの会場で、松下さん、池田さん、縦石さん、加藤さんと共演できたこと、心より感謝するとともに、私にとっても大切な経験、忘れ難き思い出となりました。また、松下さん、池田さんの絶品手料理の数々を堪能できたことも格別でした。本当にどうもありがとうございました。

    • ryuji より:

      木下 尊惇さま
      こちらこそ充実のひと時を過ごさせて戴き大変感謝しています。
      心の目を見開かされる会話の数々、リハーサルおよびステージで共に音を出していただける喜び、そしてお客様とのコミュニケーション、、、私にとって今年も宝物のぎっしり詰まった貴重なレッスンでした。
      またお目にかかれる日を楽しみにしています。

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