唐人町ギター教室では、楽譜が読めない初心者の方からプロを目指している上級者まで、現役プロミュージシャンが丁寧に指導致します

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2020年大晦日

 
今年もこうして無事に大晦日を迎えることができた。
コロナの状況のなか、レッスンやコンサートに足を運んでくださった生徒さんや知り合い達に
支えられ助けられた一年だったことを、今ほんとうに心から実感している。
 
 
ふりかえれば本来練習嫌いのはずの私が、元旦から《毎朝のウォームアップ》を自らに課し、
習慣として根付かせるところから私の2020年は始まった、と言っていい。練習メニューは
少しずつ増え、毎朝20分間で始めたものが、気が付けば4月の時点で40分間になっていた。
 
 
時期的にはコロナで世の中がざわつき始めた頃だった。
4月末、30年来の親友がパタッと亡くなった。これは父が亡くなった時よりずっとショックが
大きかった。長いこと肺を病んでいたのだが、死後のコロナ検査の結果”陰性”と診断された。
診断されたにもかかわらず「コロナであった可能性も0%とは言い切れない」という医者の
ひとことで誰とも対面することなく火葬にまわされた。4歳若い彼といっしょにこれから歳を
とってゆくことを、全くと言っていいほど疑っていなかった自分に気づかされた。
 
 
そこからはとにかく北九州の池田慎司さんの存在に救われた。彼があたらしく運営を始めた
音楽スペース”Goya”でのアンサンブル結成は私にとって救いとなった。6月に予定していた
鈴木大介さんのツアーは流れてしまったが、我々の尊敬するミュージシャンであるレオナルド・
ブラーボさん、木下尊惇さんのツアーが9月と12月にそれぞれ実現でき、一連のツアーとして
楽しく終えることができたのも、ひとえに池田氏の持つヴァイタリティーのおかげと心から感謝
している。
 
 
秋ごろから右手 i 指の空振りがすこしずつ目立ち始め、気になってはいた。
毎朝の練習メニューを改良したり増やしたりしていたが、一向によくならず、11月に関東の
ギタリスト尾野桂子さんにお話ししたところ「ジストニアじゃないですか?私の知り合いにも
います」と言われ、その時点で300日以上続いていた朝のアップをあわてて中止し、治療院に
行った。ちなみに腱鞘炎のような痛みは全くない。「神経のもつれです」と診断され、治るとも
治らないとも言われぬまま通院し続けている。(ギター教室とおなじで)治るか治らないかは
先生の技量云々ではなく、どうも私の心がけ次第のようである(苦笑)。
 
 
練習量はめっきり減った。来年のコンサートも一旦減らして様子を見ながら、、、という感じで
ある。もとよりコンサート活動に対する未練はほとんどない。仕事だからやってはいたが、
元来人前に立つのはあまり好きではないのだ。
しかし練習をやめて気付いたことがある。”練習嫌い”を自認していた私だが、これまで合い間を
縫ってじつは自分がかなりやっていた、ということに、、、、。
 
 
というわけで現在、時間を持て余している。
これは30代の頃、禁煙した折に味わった”もてあまし感”とかなり似ている(笑)。
もし来年、指がもとのように動いたなら?
やってみたいことがいろいろある。
もしもとのように動かないままだったら?
《動かないまま活動する方法》を少しずつ考えていこう。
 
それでは皆様、よいお年を
 
 
2020.12.31.
 

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