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木下尊惇「美しき日常の連続」

 
去る7月5日(日)福岡市中央区唐人町《甘棠館Show劇場》において当教室主催イヴェント
『木下尊惇フォルクローレコンサート』~美しき日常の連続
が開催され、盛会の内に幕を閉じた。
御忙しいなか、ご来場くださった多くの方々に心から感謝したい。
 
 
木下氏のコンサートに足を運ばれたことのあるお客様は、それがただの「コンサート」とは
あきらかに一線を画すものであることに気が付かれる方も多いと思われる。
十代のころ渡ったボリビアの地で、巨匠エルネスト・カブールから叩き込まれた「フォルク
ローレ哲学」を基に、氏が現在最も大切にしているものは、あくまで『日常』のあり方、佇まい
であり、『手仕事』の美しさに眼を向け、それを日常の連続の中で未来に紡いでゆくことで
ある。氏にとって「日々行っている農作業」や「手仕事の実践」から吸収したものはすべてが
同等に結びついており、音楽活動そのものもあくまで「日常」のこととして行われる。
そこには個人的名声や利益のために活動する『ミュージシャン』の姿はなく、あくまで日常を
こつこつと実践する『フォルクロリスタ』としての姿があるのみである。
その誠実さの中から生まれる「言葉や音」をお客様おひとりおひとりにしっかりと手渡した、
そんな印象のコンサートだった。
 
 
なお後半のステージでは全国的に活躍中のオカリナ、ケーナ奏者である和田名保子さんをゲスト
にお向かえし、すてきなケーナ演奏でステージを華麗に彩って頂いた。この場をお借りしてお礼
申し上げたい。
プログラムは以下の通りである。
 
 
【前半】
1.風の枝がむせび泣く(アタワルパ・ユパンキ)
2.故郷への道すがら(ボリビア・タリーハ地方の伝承曲)
3.小さな花束(木下尊惇)
4.山の向こうのクエッカ(木下尊惇)
5.ボリビアの鉱夫たち(ボリビア北ポトシ地方の伝承曲)
6.ルエッカ・ムユムユ(木下尊惇)
7.人生は美しい(ニロ・ソルーコ)
 
(1.2.木下ソロ、3~7木下&松下デュオ)
 
【後半】
1.穀雨(木下尊惇)
2.秋の小森の道(E.カブール)
3.牛飼いの涙(木下尊惇)
4.足跡に花ひらく~美しきふくしま(木下尊惇)
5.コンドルは飛んで行く(ダニエル・アロミア・ロブレス)
6.満月の夜(スサーノ・アソゲ)
7.扉を開けておくれ(ボリビア・アンデス地方の伝承曲)
 
【アンコール】
*ラ・マリポーサ(アンドレス・ロハス・キスベルト)
*虹のたもとへ(木下尊惇)
 
(1.木下&和田デュオ、2~7およびアンコール.木下&和田&松下トリオ)
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なお翌日7月6日(月)には北九州市守恒「106」にて、ボリビアの舞曲『クエッカ』に
ついての木下氏によるレクチャーがおこなわれた(K.I.企画主催)。
 
1.フォルクローレという音楽の性質
2.ボリビアのフォルクローレの分類
3.クエッカの地方性
4.クエッカの形式およびリズムの特性
5.演奏の実際
という各項目について貴重な音源や踊りも交えながら、約一時間に渡りわかりやすく楽しい
レクチャーが行なわれ、お客様にも大変お楽しみいただける内容であった。
 
 
レクチャー後には30~40分ほどのミニコンサートがあり木下氏のソロからマンドリンを
加えたカルテットまで、さまざまな形態による演奏を繰り広げた。
こちらのプログラムは以下の通り。
 
1. パスクアのためのコプラ(ボリビア・タリーハ地方の伝承曲)
2. 青い梯子(ボリビア伝承曲)
3. チャランゴのための練習曲(マウロ・ヌニェス)
4. ルエッカ・ムユムユ(木下尊惇)
5. 山の向こうのクエッカ(木下尊惇)
6. 街灯だけの灯る道(木下尊惇)
7. 人生は美しい(ニロ・ソルーコ)
【アンコール】
*カルワンチョケーラ(ボリビア伝承曲)
 
(1.3.木下ソロ、2.4およびアンコール.木下&池田慎司デュオ、5.6.木下&池田&
池田国昭《マンドリン》&松下カルテット、7.木下&池田&松下トリオ)
 

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