昨日は特に寒かった。
そして投票日・・・
そんな日に会場までわざわざ足をお運びくださった26名のお客様、御一人おひとりのお顔がちゃんと浮かびます。心から感謝しております。そしてふゆきくん、ありがとう。
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作曲家としての武満徹、ジャズ・ピアニスト&インプロヴァイザーとしてのキース・ジャレット、クラシック・ギタリスト&作曲家としてのレオ・ブローウェル。彼らの作品、あるいはスタイルの三つ巴による「あそびの時間」。
武満とキースによる対談は、ここ20年ほどのあいだ折に触れ、くりかえし目を通してきた。
分野の違うふたりが、分野を突き抜けた次元で共感し合い、尊敬し合う姿(まあどちらかというとこの時は対談というより、武満さんがインタビュアーとして、キースの音楽観、世界観を言葉というかたちで引き出すものではあった)に私自身大きく影響を受けた気がする。
そして武満を尊敬するレオ・ブローウェルは言わずと知れた《ギター・サウンドの魔術師》。
そのブローウェルの70年代無調作品によって、会場の感覚の許容を拡張し、そのブローウェルの手法を使って、キース作品をところによりアレンジし、武満のソングをキース的ダイナミクスを使って演奏し・・・
というのは、プログラミングしたこちらの勝手な思惑であって、聴く側にはどうでもよい。
ただ裏にそれなりの軸を通しているからこそ、「その場でその曲を弾く必然性」というものが、より強くお客様に伝わるものかもしれない。
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I
*パラボラ (L.ブローウェル) ~ 松本ソロ
*スピリッツ24 (K.ジャレット / 松下隆二編)
*マイ・ソング (K.ジャレット / 松下隆二編)
*2つのソングス 《 島へ 》 《 さようなら 》 (武満徹 / 藤井眞吾編)
*勇敢なスケルツォ (L.ブローウェル)
II
*ボルドーXI (K.ジャレット / 松下隆二編) ~ 松下ソロ
*アイ・ラヴズ・ユー・ポーギー (G.ガーシュウィン / K.ジャレット編)
*2つの映像音楽 《 映画 「弾痕」 (武満徹 / 鈴木大介編) 》
《 TVドラマ 「波の盆」 (武満徹 / 加藤優太編) 》
*3つの協奏風舞曲より I (L.ブローウェル)
アンコール
*メモリーズ・オブ・トゥモロウ ~ 砂 Part.III (K.ジャレット / 松下隆二編)
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個人的にはここ半年、キースの言う《覚醒》ということばにすごく引っかかって追いかけ続けている。グルジェフやスーフィー教に導かれ、覚醒の領域に踏み込んだキースだが、彼の言う覚醒とはどういう状態を指しているのだろうか?それは演奏にとって理想な状態なのか?インプロヴァイザーでないミュージシャンがどこまで肉迫できるのか?正直わたしにはまだわからない。わからないから追いかけ続けている。
ぼくたちはみんな過去にたよりすぎる。楽しむために過去にたよる。<中略>そういう人間が増えてきている。スポンテニアスじゃないからだ。”今”がなんであるかを知らない。”今”こそチャンスなのに、このチャンスをみんなが逃がしてしまう。過去の何かを持ち出してきたり、将来に対して何かを準備するために”今”を浪費しているんだ。
眠った状態にいる演奏家はメカニカルな判断を下す。つまり意識的な判断は下さない。意識的な判断というのは、「心臓の鼓動はどうかな」とか、つまり自分の身体で自分がコントロールできるものと、できないものすべてを感じとり、そして行動に移す。メカニカルな判断というのは、この機械を動かすこと、つまりテープレコーダーのスイッチを押すみたいにね。そして自分の持っているストック・フレーズがいくつかあって、自動的にそれらが演奏し始める。
『キース・ジャレット音楽のすべてを語る』K.jarrett著(立東社)より
2026.2.9.