唐人町ギター教室では、楽譜が読めない初心者の方からプロを目指している上級者まで、現役プロミュージシャンが丁寧に指導致します

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「所作」から得るもの(その2)

 
先週は絶好調だったはずの珈琲ドリップが昨日から全くダメになってしまった、、、。
今日なんか五杯淹れたのにことごとく失敗、、、う~ん、なにがいけないんだ?珈琲の道は
険しい、、、。
演奏がダメな時と同じくらいブルーになっているわたしを見て、レッスンに来られた生徒さん達
も慰めの言葉もかけようがない。生徒さん達にとって三重苦(①先生がブルーだ②ちゃんと
レッスンして欲しい③まずい珈琲飲まされる)なのは重々承知しているが、わたしにとっては
“この秋、次々にせまり来る本番”をどう捌くかよりも今現在、重大な関心事なのだ。
 
 
 
こんな時どうやってこの状況を打開すればいいかも経験からおおよそわかっている。
「うまい人の所作」を目の前で見て、胸にしっかりと焼き付けることである。
それは動作のみを追うのではなく、その時“場に”醸し出されている雰囲気や時間の流れなども
コミであるのは言うまでもない。
それこそ私も十代の頃から、九州にツアーでやってこられたギタリスト福田進一先生の練習され
るお姿を数多く拝見してきた(もちろん数々の素晴らしい本番も、、、)。
鈴木大介氏や村治佳織さんらを育成してこられた日本のトップ・ギタリストの所作は非常に
軽やかで且つ鋭さが感じられた。そしてその弾き姿は「ギターという女性」を相手に華麗な
ダンスを踊っているかのような印象を私に与えた。
もちろんレッスンも数えきれないほど受けさせて頂いたが、その所作から受けた影響の方が
ひょっとしたら私の場合、はるかに大きいのかもしれない。
 
 
 
フォルクローレの木下尊惇氏が以前私に話してくださった事がある。
「ここ数年ユパンキ(アルゼンチン・フォルクローレの巨匠)の演奏に興味があるのですが、
彼の演奏が彼の“どのような動き”によってなされているのか?そこに興味があるのです。
そちらから音楽を見たほうが、彼の場合腑に落ちるというか、、、。」
なるほど、さすが木下さん、、、着眼がスルドイな。
 
 
 
珈琲の件も自分ひとりで「あーだこ-だ」と悩むよりも、美美へ行ってカウンターに座ることの
方がおそらく解決がはやいに違いない。
全国の珈琲業界の中で“珈琲の神様”と称されることもある森光氏の、緩慢でマイペースだが
ゆとりのある所作を見ているだけで、なんだか名演奏家の動きに通じるものを感じるこのごろで
ある。
 
(おわり)
 

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“「所作」から得るもの(その2)” への4件のフィードバック

  1. S.Hongou より:

    一生徒である自分は、先生の「所作」をまねてみたくなります。
    物柔らかな人当たりや言葉遣い。
    欧州のお国からお帰りの方々は、やはり、紳士でいらさりますので、その辺りは、日本のおじさま方にお見本に(余談でした)
    所作をまねる、というのは色んなものに通じますね。
    御教授いただく身、先生方の所作をまねることも、盗む(?)ことも難しいではありますが。
    面白く、趣深いお話、ありがとうございました。

    • ryuji より:

      いつもコメントいただきありがとうございます。
      「まねる」ということはどこかで自分のカラダと折り合いをつけなければいけないことなので、どんなにまねても全く同じになる事は無いと思います。まねる事によって起こる「オリジナリティの喪失」を怖れている人も
      ときどき見かけますが、別に心配なんてないのになあ、、、。

  2. ら・ぶりぶる~ より:

    こんばんは。
    先生が淹れてくださるのは「コーヒー」ではなく「珈琲」だな~と感じておりましたが、その理由がわかったような気がします。
    「夜のように黒く、・・・愛のように甘い」というフレーズ(これはイタリア発らしいので、先生の目指されるものとはズレがあるでしょうけれど✩)がポッと頭に浮かび、遠くから、なぜか「いっぱいの~こぉひぃから~ゆめのはなさくこともある~♬」なんてノイズ入りの歌声がかすかに聞こえてくる・・・せっかく素敵なブラジル物をBGMにしてくださってるのに・・・ごめんなさい~!!
    私は、最新のコーヒーマシンで作ったコーヒーも自分で丁寧に淹れたコーヒーも好きですが、飲んでもフレーズも古い歌も出て来ません。
    深い深い先生の珈琲、ずうずうしいけれど、また楽しみにしております。

    • ryuji より:

      あ、あたたかいコメントありがとうございます。
      落ち着いた手作業に導かれ、たどり着いた味にはどんな結果であれ愛情を感じます。
      トール・ペイントもギター演奏もきっと一緒なのでしょう。
      日常の手作業から教えられることは本当にたくさんありますね。

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