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作曲と演奏に関する覚え書

「作曲は一つのことであって、演奏はまた別の一つのこと、聴くということもまた別の一つのこと」 (ジョン・ケージ)
 
「演奏の創造的行為ということと作曲の創造的行為というのは全然別のことだという気もずいぶんするんです。具体的には、曲ができた時点で僕の仕事は終りという意識が非常に強いですね。
それをどう演奏するかは演奏家の責任であって、その責任というのは、作曲家がこう考えたんだからその意図を忠実に再現するということではありません。
作曲家からもたらされた、楽譜なら楽譜という素材を使って、どうやって演奏家がその演奏家にとっての音楽というものを作るのかが、演奏家としての創造の責任であって、それは必ずしも作曲というものとはつながっていないと考えています。
もちろん、この音楽はいったいどんな音なのかという事に全然イメージのない演奏家に対しては、自分の解釈を説明しますが、それは一つの解釈例でしかない。」(近藤譲)
 
ロマン派の音楽を演奏するに当たっては、演奏スタイルの普遍的な価値観が存在しているような気がする。
つまり「絶対的美学」が存在し、それを共有しているような音楽、、、。
演奏家に独自の解釈が許されているというよりは、価値を共有していないと成立し得ない世界、、、。
 
ロマン派の音楽は、その「絶対的価値」に何処まで肉薄できるか、が問われる音楽。
現代音楽は、楽譜という設計図(もしくは手がかり)をもとに演奏家が自分の絵を描けるか、という音楽。
 
演奏でアプローチする際、この違いを把握すべきであろう。
 
2013.3.24

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