唐人町ギター教室では、楽譜が読めない初心者の方からプロを目指している上級者まで、現役プロミュージシャンが丁寧に指導致します

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シネマなわたし

 

2003年に自主制作した初めてのソロギターCD「アイム・ア・ストレンジャー・ヒア・マイセルフ」は、映画音楽とミュージカル音楽を集めた30分足らずのミニアルバムだった。

マニアックな映画音楽も含んでいたため、このCDを出した直後には割と多くの方から「マツシタさんは映画に詳しいんですね!」「映画がお好きなんですね」と言われることが多かった。

だがそれは違う。”映画”が好き、というより”映画音楽”が好きで作ったアルバムだったのだ。20年前の当時はまだネット上の情報も今よりずっと少なく、映画もYouTubeに今ほどアップされたりしていなかったので、CD制作当時の時点で映画を観ないまま録音した曲も結構あった。だが「映画も観たし、それに関する情報もくまなく知っている」ということと、「映画そのものは観ていないが、その音楽だけをもとに様々なイメージを膨らませたり感じたりしながら演奏した」ということの果たしてどちらの方が人間として【クリエイティブな作業】と云えるか、、、これは分からない。

例えば、ある国の音楽を演奏するにあたって「じっさいにその国を訪れたことがある」というのは、確かにある種のアドバンテージとなるかもしれない。だが「そのアドバンテージが無い状態では、いい演奏が出来ない」というのは、ミュージシャンとしてあまりにお粗末でありクリエイティブとは言えないのではないか(あるいは今の時代、意識的に情報をシャットアウトすることで人間としてクリエイティブな地点に立つというやり方をとることも可能ではないか、ということ)。

ちなみに音楽評論家の故濱田滋郎先生は、スペインおよびラテン文化のスペシャリストとして世界的に認知されていたが、実際にスペインの土を踏まれたのはかなりあとになってのことだったらしい。だが行かれる前から先生が持ってあったイメージと実際のそれは、現地で寸分の狂いもなくピッタリ重なったそうだ。それまで如何にクリエイティブにお仕事されてあったか、ということの証明だろう。

私自身、単純にかつて土を踏んだということであれば、パリ、バルセロナ、メキシコ、ハバナ、リオ、釜山だが、旅行で立ち寄り、あるいは数年住んだくらいで、そこの音楽や文化のスペシャリストになれるほど人間単純でもなければ甘くもない。ただ確信をもって言えるのは、その土地を実際に訪れることで、そこの ”文化” や ”音楽” 、”ひとびと” のことがそれまで以上にイメージしやすくなった、ということだけであり、それがアドバンテージといえるのかもしれないが、私の場合、実際の印象というものは過信しないことにしている。それは多くの誤解を含んだまま固まってしまうこともあるのだ。

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本題からずいぶんと遠く離れてしまった、、、。

日頃、パソコンのデスクトップをスライド・ショーにしているのだが、過去に観たフェイバリット映画の画像を拾い集めたものに数日前からかえてみた。

『太陽を盗んだ男』『野獣死すべし』『大脱走』『暴力脱獄』『豚と天国』『パルプ・フィクション』の他、寺山修司『田園に死す』、サム・ペキンパー『ワイルド・バンチ』、リリアーナ・カヴァーニ『愛の嵐』、鈴木清順『チゴイネルワイゼン』、黒澤明『七人の侍』、ヴィム・ヴェンダース『パリ、テキサス』、ウェイン・ワン『スモーク』、マカヴェイエフ『スウィート・ムービー』、タルコフスキー『ノスタルジア』、ホドロフスキー『エル・トポ』、レオーネ『夕陽のギャングたち』(モリコーネ最高!)、、、、これらの映画の名シーンが30秒おきに入れ替わり、仕事が全くはかどらない状態に、、、う~ん、かなり偏ってる感じ、、、所詮そんなもんですよ、私の映画趣味なんて、、、。

 

2023.04.08

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