唐人町ギター教室では、楽譜が読めない初心者の方からプロを目指している上級者まで、現役プロミュージシャンが丁寧に指導致します

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たたかうひと、たたかわないひと、

 
ジストニアのリハビリ生活を始めて早4カ月、、、
遠くない将来、私個人の”ジストニア記録”をホームページで連載しようと現在計画中だが、
ほんとにやっかいな症状なのだ。治療法もいまだ見つかっておらず皆さん自力で取り組んで
あったりする。そんな仲間たちで試行錯誤のデータを持ち寄り、情報をシェアし合うことが、
この症状には有効かと思われる。
 
 
公開での演奏活動は現在控えているが、今月は一週間後に一本だけ出演を予定している。
私の症状は右手( i 指 )だが、この出演は問題がない。ピアニスト権藤寛子さんとの共演で、
ハダメス・ニャタリ作曲『エレキ・ギターとピアノのための組曲』から三曲演奏。
そう、ピックだからジストニアもなんのその!
 
 
この素晴らしい作品、演奏機会が極端に少ないのは、主な理由として二つのことが考えられる。
まずは、現在きちんとした形で出版されていないということがひとつ。やはりこれは大きい。
出版業というのは、よほどのヒット作品でない限り利益が見込めない世界ではあるが、是非
入手がしやすい環境が整うことを願っている。
 
 
もう一つの理由は、ブラジル音楽ギタリスト、もしくはジャズギタリストは、演奏する時
主に”コードネームを見ながらアプローチ”するのだが、この曲はクラシック作品のようにすべて
音符で書かれていることが挙げられる。
要は演奏するに当たって、”玉(音符)読み”というめんどうくさい壁が彼らの前に立ちはだかる
のだ。
かといって、”譜面の読めるクラシックギタリスト”がこの曲を演奏するに当たって、その
ギタリストが違和感無くエレキギターを手にすることできるかどうか、、、という別な壁が
今度は出現する。この作品に関しては、もともとジャズ・ギタリストであった尾尻雅弘さんが
CDで素晴らしい録音を残されてあるが、そういった”ハイブリッド・ギタリスト”でないと、
取り組みの段階で困難が生じる稀なレパートリーなのである。
 
 
では「この作品をクラシックギターで演奏することは可能か?」
私は可能だと思う。組曲全六曲中、そのまま弾けるものもある。
曲によっては、サスティーンが伸びない分、音数で埋めるアレンジを施したりすれば、成立する
だろう。いずれにせよ現在の私は、エレキの方が弾きやすい。ピックだもんね~♪
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今回のタイトルは、別に『進撃の巨人』連載終了に影響されてのものではない(読んでたん
かい!)。
例によって、私の偏見による”気質”の話である。
周りのミュージシャンを見ていて、どうもふたつの気質が存在する気がするのだ。
目に見える、あるいは目に見えない周りのなにかと常にたたかっている、もしくはいつでも
たたかえる臨戦態勢の精神状態にあるひと、、、
そしてその一方で、やむを得ない状況にならない限りは基本たたかわず、周りとの調和をはかる
ことを目指すひと、、、
これはどちらがよい、わるいなどではなく、気質の違いをそのようにおおざっぱにとらえると
腑に落ちるかも、、、という一種のゲームのようなものである。
 
 
例として挙げれば
前者:マイルス・デイヴィス、カエターノ・ヴェローゾ、プリンス、、、
後者:ルイ・アームストロング、イヴァン・リンス、マイケル・ジャクソン、、、
 
 
カドがたたないよう”比較的身近な”同世代クラシック・ギタリストで挙げるとすると(勝手に
ごめん!)、、、
前者:富川勝智、鈴木大介、レオナルド・ブラーボ、、、
後者:岩崎慎一、大萩康司、池田慎司、、、
(以上、敬称略)
 
 
後者として挙げたひとたちも「おれはたたかってる!」というひとも勿論いるだろうし、
前者の中にも「おれは調和がはかれない人間か?」と異論を唱えるひともいるだろうが(笑)
気質としてはこれでおおまか合っていると私は考える。
 
 
前者は自分の所属するコミュニティーおよびネットワークに対して様々な問題を提起し、
その中で異物たることもおそれないタイプである。
後者は《現状を受け入れる度合い》が、そしてギターを弾く人たち(見知らぬ人を含む)に
対する《無条件の愛》、それらの絶対量に関して前者よりも大きい気がする。
 
 
中間値ももちろん無数に存在するだろうが、どちらの気質も社会に必要であり、うまくバランス
がとれているなあ、と感じるこのごろである(まるくまとめてみた)。
 
 
2021.4.17.
 

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