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コンクールというものについて(その2)

 
すでにお気づきの方もいらっしゃると思うが、わたしは個人的に“コンクール”というものの存在
については、いささか懐疑的である。
マイルス・デイヴィスも言っているように、「音楽」というのは他者との“協調”であって絶対に
“競争”ではない。もし仮に競争相手を設定するならば、それは他者ではなく「過去の自分」で
あるべきだ。
ただコンクールというものも取り組む姿勢や利用の仕方次第では多少有益なものには成り得ると
思う。
 
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*自分の音楽的成長の為、コンクールを利用する“考え方”および“姿勢”のサンプル
 
その①:普段自分が練習の対象として選曲しそうにない曲が課題曲になり得る。
そういった曲を半年及び一年という長い時間をかけて取り組むことの意義は充分にある。
同じ曲を弾き続けることからくる倦怠感をどう解決するか、、、。すなわち飽きることなく
同じ曲に対し興味を掘り起こし続ける能力を高める良い訓練になる。
 
その②:コンクールは若者にとっては同世代の仲間を作る一つのチャンスになりえる。
音大を卒業してプロになるという道すじが、オーケストラ楽器ほど確立されていないギターの
世界にとって“コンクール”というものはまだまだ仲間作りの場として機能する可能性はある。
 
その③:「録音予選」は、将来のレコーディングにつながる大切な経験となりえる。
「生の演奏」「コンサートやリサイタル」で使う演奏技術と「レコーディング」で使う
演奏技術はその緻密さに差がある。わたしの場合、過去のコンクール録音予選での経験が、
プロ活動を始めてからのレコーディングの際に大いに助けとなった。
 
その④:PAなどの音響システムにたよらず、生音のみでホールを鳴らす経験。
いささか古風ととられるかもしれないが、こういったフィジカルな基礎体力面を鍛えておく事も
重要な事だとわたしは考えている。
 
ちなみに今回言及している“コンクール”とは、「プロになりたい若者の登竜門」としてのそれで
ある。同じギター・コンクールでも「一般ギター愛好家のためのコンクール」のほうが存在意義
が大きいと思うし、個人的には好きだ。
 
 
次回最終回はコンクール運営サイドの問題について触れてみたい。
 
(つづく)
 

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