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“初めて”の怖さ

 

この歳になってもまだ未体験のものがヤマほどある。

 

わたしにとって未体験のものには未知の怖さがある。たとえば骨折。

 

生まれてこのかた骨折を経験したことがない。それで余計に骨折というものの痛みに恐れを抱いている。できれば経験することなく人生をゴールインしたい。

 

だが思い返せば小学生時代、骨折して松葉杖をついている友達は、クラスのみんな(というか男子一同)から羨望のまなざしを一身に受けていた記憶がある。男子というものはそういうアホな生き物だ。骨折はしたくないが松葉杖は突いてみたい・・・(わっかるかなあ、わかんねだろーなー)

 

二つ上の兄がウイルス性結膜炎に罹って、眼科から眼帯をして帰ってきた時も自分の中に同じ衝動が起こったのは言うまでもない。私にうつらないようタオルなどを別にした母の配慮はまったく無駄であった。家族に見つからないように兄の使うタオルで自分の目をこすった私は、数日後めでたく願いが叶ったものである。アホだ・・・

 

だがやはり病気やケガはイヤなものだ。特に「痛みに弱い」と自認している私には、松葉杖は魅力的であるものの、骨折の痛みを想像するにつけ、やはり割に合わないという気がしている。

 

今思い出したが、小学生の頃はともだちで盲腸の手術をする奴がやたら多かった。周りでほとんど聞くことがなくなったが、今現在でもやはりあるのだろうか?それとも昭和の時代と共に消え去ったカルチャー(?)のひとつなのだろうか?盲腸を切った連中も、やはりクラスで一時的に羨望の的だったと記憶しているが、自慢気に”縫い傷”を見せつけられても、それにはあまり心惹かれなかった。これもできれば体験することなくゴールインしたい・・・

 

だが、ついにきたのである。私が人生で体験したくない《未知の怖さ》のひとつが・・・

ちなみに盲腸ではない。

”オヤシラズ”である。

 

先日のことだ。歯茎が痛くて夜90分おきに目が覚めたわたしは、翌朝たまらず近所の歯医者にかけこんだ。お医者さん曰く「う~ん、右奥のオヤシラズの周辺が炎症をおこしてますね。はえてても役に立たないですし抜いちゃいましょう。」 か、かるい・・・やけに気軽に言うじゃない先生。

 

というわけで、この年齢で思いもかけずオヤシラズ抜きを初体験することになった。

 

なにせこれまで周りからさんざん聞かされてきた《恐怖のオヤシラズ抜き》である。「一回で抜けず、砕いて二回に分けて抜いた」「血がドバドバ ひと晩中とまらなかった」これまで聞いた様々な恐怖の体験談が頭をよぎる。できれば人生で体験することなくゴールインしたかった・・・。

 

化膿しないよう数日のあいだ抗生剤を飲むよう言われ、抜歯は四日後と決まった。

 

 

そして本日・・・抜きました。

  

麻酔のほうが痛かった(当然と言えば当然か)。しかし昭和のころは麻酔無しでやった話も聞いたことあるけど、それってほとんど調査兵団の拷問じゃねーか? あ、ちなみに血ドバドバでました。激しい運動控えるように言われたけど、その後そのまま自転車こいで、ヨシダ楽器のレッスンへ・・・。現在、血ほとんど止まってます。三日後に消毒と抜糸で終わり(ふっ、クチほどにもない)。

 

けど、もういいかな、一回だけで・・・この経験は。

 

しかし初めてのことってやっぱり怖いね~ 

怖かったよ~(泣)

 

 

2026.1.16.

 

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