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オブリビオン、、、

 
2017年が暮れようとしている。
年内の公的な演奏はすでに終了し、残すは5日分のレッスン、そして『ひとつのリハーサル、
ふたつの忘年会』(曲のタイトルみたい、、、)のみである。
一年という期間をとても短く感じるとともに、今年のアタマになにをやったかなどの記憶が
どうも曖昧になってきた。
まあここはひとつ、かっこよく”振り返らないオトコ”ということにしておこう、、、。
 
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”見栄を張る” ”格好つける”
これらのことは裏返すと結果”かっこわるい”ことが多い。
さっきの言葉も、よく言えば”振り返らないオトコ”、現実はただの”振り返れないオトコ”に
過ぎないのだ。
 
(最近、芸能界復帰の兆しを見せている)学歴きらびやかだったK氏も、裏返され
”ホラッチョ”
呼ばわりされるのが世の中というもの。
そう考えるとエリート意識を前面に出したり、見栄を張るということは、逆にマイナス面の方が
むしろ多いのではないか?
”見栄を張る” ”綺羅を飾る”のは高校、大学の應援團くらいに任せて、その他の人はもっと楽に
生きたらどうだろう。
 
とは言っても、それらを踏まえた上で、”敢えて自覚的、意識的に見栄を張る”というような
泥臭い姿勢については、個人的には、じつは結構《好感》を持って見ているのだが、、。
 
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アルゼンチン・タンゴ界の雄(かつて九州ギター界にこれを”オス”と読んだ奴がいた)、
A.ピアソラがフルートとギターの為に作曲した『タンゴの歴史』という曲がある。
 
この曲が現代のクラシックギター界に与えた恩恵は計り知れない。
何故ならこの曲を演奏したいが為に、ギタリストと組んでコンサートをするフルーティスト、
ヴァイオリニストの数が、それ以前より圧倒的に増えたのだから。
90年代後半から始まったピアソラブームが、その状況にさらに拍車をかけた。
今振り返ってみると(ちゃんと振り返れるやん!)、90年代半ばからの20年近く、日本の
クラシック音楽産業は、ピアソラと武満によって支えられていた。
そしてこの二人の作品は、クラシックミュージシャンとそれ以外のジャンルの音楽家との
橋渡し役もしてくれた。
 
だが一方で皮肉な見方をすれば、その内実は、猫も杓子もコンサートの〆に”リベルタンゴ”を
演奏する、というだけのものかもしれない。
 
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そのA.ピアソラの有名曲の中に『オブリビオン(忘却)』という曲がある。
30代のある日、私はふと気が付いた。
これって言い換えたら『オブリビオン(ものわすれ)』ってことじゃね?
”忘却”と言えば確かにかっこいいが、、、。
 
その日以来、パッと見が格好いいものは、まず疑って裏返してみるクセがついてしまった、
《あなたの街の痴呆ギタリスト》であった。
 
2017.12.19.
 
 

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