唐人町ギター教室では、楽譜が読めない初心者の方からプロを目指している上級者まで、現役プロミュージシャンが丁寧に指導致します

Dystonia

ジストニアとの対話~セクション3

 

3月アタマから リハビリ的な練習をはじめる

気を付けるポイントは以下の通り

 

*超微速、ゆっくりのテンポを常に心がける

*長時間連続してやらない(10分程度で必ず休憩)

*「禁じられた遊び」などのアルペジオが素材(症状の出やすい素材を使うこと)

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《2021/3/9》

この日 初めて“感覚トリック“を試みた

i 指の末端関節のみ ガムテープ(セロテープでも可)で巻いて固定

やや硬めの音にはなるが、従来のテンポでも空振りがない

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《2021/3/10》

空振りの i 指はもしかしたら“代償指”であるかもしれない

(mを弦上に準備したときに i の力みや巻き込みが見られる)

mのセットおよびチェーン・リアクトをやめ 

空中からmを弾くようにすると

i の巻き込み症状もかなり軽減されることに気が付く

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《2021/3/16》

i 指はまっすぐ振らず、ポンセ・タッチだと

アルペジオパターンでもしっくりくる

 

「禁じられた遊び」を以下の右手運指で、、、

テンポアップしても崩れないことを確認

①弦・・・・m(アポヤンド)

②弦・・・・i(アポヤンド)

③弦・・・・i(ポンセ・タッチのアルアイレ)

 

 

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2021.3.27.

東京の坂場氏に以下のメールを送る

 

坂場先生

お心遣いのお言葉、大変感謝いたします

お言葉に甘えまして、動画と お尋ねしたいことを

以下に記します

長文になりますが、おゆるしください

 

現状です

に対し、こういう練習しています

感覚トリックを使った状態です

 

今朝なにげに坂場先生のプロフィールを拝見していて

おそまきながらふと気になり

”おおよそ”の年齢をふらせていただくと

 

2000年(20才)第25回GLC学生ギターコンクール第1位

       第18回スペイン音楽ギターコンクール第3位

2006年(26才)UFAM国際音楽コンクールギター部門第3位(フランス)

2008年(28才)パドヴァ市国際音楽コンクールギター部門第1位(イタリア)

2011年(31才)には東京交響楽団とアランフェス協奏曲を演奏する。

これで間違いないでしょうか?

 

そして先日、先生から戴いたお言葉は以下の通りです

「21歳ごろ、右手m指が過剰に折れ曲がり、何か変だなと感じるようになりました。私も最初はアルペジオに違和感を覚え、なんとか出来ないかと四苦八苦した記憶があります。」

「30歳ごろ、さらにそこから右手全指に症状が波及し、ギターを弾こうとすると右手が熊手状に変形するという、末期的な状況まで行きました。」

 

そして2011年(31才ごろ)の You Tube 動画もいくつか拝見しました

はたから見るとなんの支障もなさげな、大変見事な演奏でした

そこでおたずねしたいのです

 

*30才ごろの”末期的な状況”から一年のリハビリ療法で「悲歌」「アランフェス」が弾ける状態まで回復されたということでしょうか?

*私の”現状”は、先生がご覧になられて、当時の先生よりも症状は軽いでしょうか?重いでしょうか?それとも同じくらい?

*ゆっくりを心掛け二番目の動画の感じですが、「いやいや、もっとゆっくりだよ」「mをセットした時、 i が巻くのをほっとかないほうがいい」「そのままでいい」など、気付かれたことがありましたら教えていただきたいです

*i の末端関節を、ガムテープで固定しての練習も一日数分やりますが、これは「ずっと固定すること」が前提なのか、「いずれ取り除くが、動きを覚えるために今は付けている」のかわかりません

それについてお考えがもしあればお聞かせいただきたいです

 

*「禁じられた遊び」などのアルペジオなどに関して、従来とちがう右指パターンを開拓したほうがよいのか?それともリハビリ練習によって従来の使い方が動かせるようになるものか?

練習時、ここにも迷いがあります

もしご意見をお持ちでしたら、お聞かせいただけないでしょうか

 

現時点ではとりあえず以上です

お返事は先生のお時間が許される時で全然かまいません

このたびもあたたかいお言葉に甘えさせていただき、心より感謝いたします

 

松下隆二

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2021.3.27.

松下先生、

早速にありがとうございます。

次の月曜日が仕事休み日ですので、そこでゆっくり拝見し、分析・返信をしたいと思います。

 

ところで、私が演奏を辞めたのはコンチェルトを含む全ての演奏後です。

時系列は自分でもあんまり覚えていなくて、少し混同しているところもあるかもしれません。

申し訳ありません。

その後もチョコチョコと出来そうな演奏の仕事はしていましたが、原則、今も休んでいます。

演奏を辞めてから10年以上が経ちました…

長いお休みだなあと、我ながら目が遠くなってしまいますね。

そしてもうひとつ、経験的な発言で説得力がなく申し訳ないのですが 

動画を拝見する限りたしかに i 指が問題ですが 

根本的な原因は p 指なのでは?と考えます。

私も巻き指はmでしたが、p指の脱力を意識することが回復のきっかけとなったことをハッキリと覚えています。

ご参考になれば幸いです。

また返信します。

よろしくお願い致します。

 

坂場圭介

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“ジストニアとの対話~セクション3” への2件のフィードバック

  1. 山﨑 弘一 より:

    以前ある先生から坂場先生のことはうかがっていましたが、私も今から10年前に
    M指の異様な巻き込みを感じ、禁じられたのアルペジオが次第にできなくなってきました。
    今では指が次第にグーになってきて、おまけに痺れもあり、アルペジオ、トレモロなどは、できなくなりました。最近はソルのOP6-11も指がもつれ、全く演奏できなくなりました。なにかヒントがあれば、ご教授いただければ幸いです。

    • 松下隆二 より:

      山﨑 弘一さま

      はじめまして。
      コメントいただきありがとうございます。
      m指から他の指にも派生されたケースですか?それはおそらく坂場先生とおなじですね。私の場合はi指です。
      局所性ジストニアは治療法がいまだ確立されていない症状ですので、現在も世界中で試行錯誤状態です。
      昭和の頃は呼び名すら無かったので腱鞘炎とひっくるめられていたと思いますが、今振り返ると周りの諸先輩方でも「じつはジストニアだったんじゃないか」と思い当たる方がたくさんいらっしゃいます。
      私もまだ治ってなく試行錯誤中です。アルペジオ・パターンの連続が特に多い古典作品は、2022年10月現在も弾けない状態です。
      最近このページを更新していない理由のひとつは、「方法や意識で解決できないか?」という考え方と一旦距離を置きたいからです。具体的に言うと「指をコントロールする意識が強すぎると、結果ジストニアに向かいやすい」ことが自分の中でハッキリしてきたからです。そこを言葉にしてゆくにはもう少し時間と経験が必要だなと感じております。
      ジストニアを自力で改善された諸先輩方のお話の多くで共通してあるのは、、、
      *指先にかかる張力を感じながらゆっくりと動かす(指の各関節の動きに対する意識ではなく、指先に感覚がいくこと)
      *脳の指令が屈筋にばかり通っていて、伸筋に指令がいくことがない為、伸筋が筋力低下を起こしている。(私は現在ジストニア専門理学療法士の先生ご指導のもと輪ゴムやペットボトルを使った筋力トレーニングを実践しています)
      *ジストニアの改善とは、一気に、あるいは何かのきっかけで、急激によくなるものではなく、少しよくなったり、また悪くなったりしながら、段々と改善してゆくもの(時間がかかる)。
      からだが思い通りに動いてくれないというのは、もどかしいものですね。でも健康であれば考えなかったようなことを考え、いろいろと気付く機会と思って楽しみながらやっております。

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