唐人町ギター教室では、楽譜が読めない初心者の方からプロを目指している上級者まで、現役プロミュージシャンが丁寧に指導致します

discography

  Passione d’Amore

Passione d'Amore
定価  3,024 円

収録曲

01.セレナーデ(R.ドリゴ)
02.ムーア人の織物
03.ナナ
04.カンシオン
05.ポロ
06.アストゥリアーナ
07.ホタ
08.ジョスランの子守歌(B.ゴダール)
09.ジュ・トゥ・ヴ(E.サティ)
10.ショーロス第1番(H.ヴィラ=ロボス)
11.「ブラジル風バッハ第5番」より アリア(H.ヴィラ=ロボス)
12.ペルディード・デ・アムール(L.ボンファ)
13.カフェ1930
14.ナイトクラブ1960
15.パッション・ダモーレ(A.トロヴァヨーリ)
16.花(喜納昌吉)

【試聴】15.Passione d'Amore

デュオ・アルバムによせて

ギタリスト:福田進一

その昔、パガニーニは、友人ギタリストのレニャーニを伴ってイタリア各地を旅し、その超絶技巧を知らしめたと言われる。
しかしある日、レニャーニはいつも伴奏者として扱われる自らの境遇に不満を抱き、パガニーニに新作を依頼した。
それは、いつもとは逆にギターが旋律を奏で、ヴァイオリンが伴奏するという異例の大ソナタだった。
さて初演の日、これでやっとギターの名人芸を披露できると意気込む彼を尻目に、パガニーニはさっさとギターを取って舞台に上がってしまった。
結局、レニャーニは簡単な伴奏パートをヴァイオリンで弾いたそうな。
この逸話には多分に後世の脚色が入っているが、我々が親しみを込めて「あらやん」と呼ぶヴァイオリニスト荒田和豊さんが九州交響楽団に主力メンバーとして活躍するかたわら、ギターも巧みに弾かれるというのは本当の話である。
その荒田さんが、ベテラン・ギタリストの松下隆二さんと組んだ!ここに聴くのは実に楽しい、室内楽の喜びに溢れたアルバムである。
荒田さんのヴァイオリンは、メロディーを奏でながらも、けっしてパガニーニのように自己チューには陥らない。
ギターを気づかい、時に挑発し、高めあう。それをしっかりとサポートし、呼応する松下さんは、ここで数々の編曲を披露し、また室内楽奏者としてのキャリアを生かして、けっして伴奏が伴奏で終わってしまわないだけの十分な存在感を示している。
互いの楽器に限りない愛情と敬意を注ぐ二人が作った、このアルバムに心から「ブラボー」を送りたい。