一昨日、無事終えた主催企画『語ってください！弾いてください！vol.1』。

　

主催者として出演者としていろいろと感じ、考え、学ぶところが多かった。

とりあげる対象としては単なる有名人ではなく、華やかな足跡を持ちながらもそのことに踊らされることなく、地に足の着いた地道な活動をじっくりとやっているひとが理想で、今回のゲストであるギタリスト池田慎司さんはまさにうってつけだった。

特に打ち合わせた訳ではないが、彼自身もこの企画の中での自分の役割をしっかりと把握してくれていて、はじめから終わりまで一貫して誠実な語りと演奏に徹してくれた。

本番において、話の合い間に挟むソロ演奏はもちろん、開場から開演までの約30分会場に鳴り響いていた彼の極上の迎賓演奏は、お客様にとっての”日常”から、”あるギタリストの生き様”に入ってゆくまでの回廊さながらの役割で会場を満たしたが、それはいわゆる「プロがステージで繰り広げる演奏」とは異質の、肩の力の抜けたさりげなさを伴う「もうひとつの公開演奏のカタチ」でもあった。

ギタリスト池田慎司が子どもの頃、人前で初披露した「ロング・ロング・アゴー」のソロ演奏で始まった会は、休憩無しの約二時間を通じ、彼の濃密なギタリスト人生のごく一部を皆様に感じて頂いたに過ぎない。もっともっと話を脱線させ、人間”池田慎司”のユニークさを引き出すことが出来ればよかったのだが、現在の私では到底役不足であり、今後の課題である。

終わりに、今回の企画にご来場くださった皆様、そしてご多忙の中、当日用にすてきなメッセージを送ってくださったギタリスト岩崎慎一さん、レオナルド・ブラーヴォさん、フォルクロリスタ木下尊惇さん、大変な企画にもかかわらず一貫して誠実に取り組んでくださった池田慎司さん。ありがとうございます。

本当に感謝しています。

　

池田慎司（１９７６～）

　

【幼少期】

♪　久しき昔＜ロング・ロング・アゴー＞（T.H.ベイリー）

　

【スペイン留学　１９９５～１９９８】

♪　アランブラの思い出（F.タレガ）

　

【帰国後の活動】

♪　フェリシダージ（A.C.ジョビン / R.ディアンス編）

　

【アンサンブルの世界へ】

♪　カンタービレ（F.ソル）with 松下隆二

　

【現在】

♪　チェロ組曲第一番よりプレリュード（J.S.バッハ）、ロス・ピコネロス（J.モスターソ）

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

【メッセージ】

第一回『語って下さい！弾いて下さい！』の開催、おめでとうございます。私もぜひ駆け付けたかったのですが、今回はメッセージでご無礼いたします。

池田さんと初めて出会ったのは、もう20年以上前、北九州の昭和湯でご一緒させていただいた時だったと記憶しています。とても爽快な明るい演奏が、とても心地よかったことを覚えています。その爽快で明るい演奏には、歳とともにますます磨きがかかり、さらに奥深さがどんどん増しているように感じます。

「池田さんならどう弾くだろう？」という興味から、今まで結構、無理難題をお願いしてきましたが、真摯に、音楽に、ギターに向き合うその姿勢には、本当に頭が下がります。

音楽のみならず、いろいろな事に関心を持ち、興味が向いたことは、とことん追求する…それはスタジオ・ゴヤでご馳走になったお手製料理でも証明されています。

10月にはまたお世話になります。どうぞますますのご活躍を!!!

　

木下尊惇（フォルクロリスタ）

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

シンジさんにお会いした瞬間から、その音質、リズム感、技術力に驚かされました。
それは非常に簡単に理解できますが、時間が経つにつれて、彼の音楽へのコミットメント、各作品に取り組む真剣さと仕事の能力もわかりました。

その後、一緒にプレーする機会があり、見たものすべてを見ることができました。
私にとって、日本だけでなく全世界の偉大なギタリストの一人であると私が考えるShinjiさんと音楽を共有することは、常に大きな喜びです!!

　

leonardo bravo（ギタリスト）

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

慎ちゃん
いや、池田君、
…池田先生？
メッセージを書くときはいつも自然に混在してしまう(笑)
池田君のギター、音楽と真摯に向き合う姿。
いつも「僕も音楽がやりたい！」という希望と勇気をシェアしてくれて、
そんな池田先生のレッスン、リハーサルでの言葉のひとつひとつが、
僕たちをいつの間にか同じ「仲間」にしてくれる。
そして慎ちゃんのギターはやっぱりエエわ〜！
調弦聴いてるだけでワクワクする幸福感に満たされるのは何なんやろね？
それもやっぱり慎ちゃんがみんなとそのとき
あらゆることをシェアしたいと思ってるからなんかな？
慎ちゃんのギターが聴きたい！と思っただけでもう聴こえて来るこの空気感。
どこかで憶えがあると思ったら、ホセ・ルイス先生！
慎ちゃんはアルコイを 日本、いや北九州に持って帰ってきちゃった？(笑)
いつの間にか、ギターだけじゃなくて、北九州まで大好きにさせられている私。
先生の居たアルコイとおんなじ。
七尾の瓦せんべいを大阪で見つけただけで、
めちゃめちゃ嬉しくなっている自分が不思議(笑)
そんな私のアホな話まで辛抱強く付き合ってくれて、
常に尊敬させられる最強ギタリストは、やっぱり「慎ちゃん」。
僕も慎ちゃんやけど…(笑)

　

岩崎慎一（ギタリスト）