唐人町ギター教室では、楽譜が読めない初心者の方からプロを目指している上級者まで、現役プロミュージシャンが丁寧に指導致します

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最近思うこと

 
先日、東京の楽器店”アウラ”さんからDMが届き、スペインのギター製作家オスカル・カセ
レス氏の来日イヴェントの模様が You Tube 動画にアップされてるとのことだったので、早速
観てみた。
冒頭にスペイン留学から帰国し、現在東京を中心に活躍中の若手ギタリスト林祥太郎さんの
素晴らしい演奏ののち、カセレス氏が通訳の方を介しながら会場からの質問に答えてゆく、
という進め方だった。
スペインの伝統的なギター製作を続けるには現在様々な困難があり、今後は製作をやめて、
自分自身の知識や経験を伝えてゆく活動を望んでいるとのことであった。
 
 
若い人たちに自分の経験、美意識、美学を伝えたい、、、これは男の本能であり願いである。
自分の気質に合う考え方を理論化し体系化する。時には権威となる。
これは宗教家とて例外ではない(いやむしろ宗教の世界の方が、そのことは顕著にあらわれて
いるのではなかろうか)。
 
 
日常生活を通じて、”男女が別な生き物”だということを実感しているひとは多い。
私も含めて男性という生き物は、直感よりも思考や理屈を重んじがちである。
なぜなら直感では他人を説得したり納得させる事が出来ない、と心のどこかで思っているからで
あろう。
【社会における仕事】の八割くらいは、ひょっとしたら「他者を説得あるいは納得させる」
為に奔走しているのが人間ではなかろうか、、、そんな気さえする。
そんな中で「なぜなら私の直感がそのように言ってます」と言い切ってしまうのはよほど勇気が
いりそうだ(笑)。
 
 
男性が理屈や美学をこねまわしている一方で、女性同士のコミュニケーションはそういうものを
必要としない。
そこでは相手に共感することがコミュニケーションの前提として重要であるらしい。
そういえばモテる男性を観察していると、自分の論を振りかざすような野暮は一切せず、
とにかく共感する姿勢を相手に見せ続けることに長けている(私がモテないわけだ)。
 
 
おそらく男性は女性のように子供を産めないので、かわりに自分の思想や美学、美意識を
この世に生きた爪痕として、他者のなかに少しでも残そうとあがくのではなかろうか。
 
 
ひょっとしてこのブログもそうなのかな?
いや、別に私が死んだあとこのような駄文を残したいとは思わないし、、、。
私の見解や意見に対し、共感あるいは同調して欲しいとも思っていない。
共感しなくていいから「へー、松下はこう考えるんだ。自分はそうは思わない」「それについて
は私はこう考える」などと、読んだひとがそのテーマについてそのひとなりに考えてくださる
ひとつのきっかけになれば、わたしがこのブログに託したコミュニケーションは叶えられたと
言っていい。
 
 
虎は死して皮をとどめ、、、
人は死して名も残さず、、、
きれいに片付けて逝くのが私の理想である。
 
2018.12.20.
 

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