唐人町ギター教室では、楽譜が読めない初心者の方からプロを目指している上級者まで、現役プロミュージシャンが丁寧に指導致します

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一回きりの提言

 
 
生徒さんとの一回一回のレッスンを大切にしようと常日頃心がけている。
 
 
私の場合「ギターをひきたい」「ギターを上手くなりたい」「ギターあるいは音楽を楽しみ
たい」という生徒さんには責任を持って全力でサポートさせて頂くが、「その気がない」
もしくは「その気がなくなった」方については、どうにもサポートのしようがない。
「興味のないひとに興味を持たせる」といったマジックは持ち合わせていないのである。
 
 
ペースはひとそれぞれあるので、向上のスピード等については当方はいささかも気にしない。
要は《生徒さんの意識(気持ち)》だけが私にとっては最重要事項である、、、。
 
 
ここから先の話はシビアな話なので今回一回きりにしたい。
ギター講師生命に関わる話題であるが、他楽器も含めた同業者(音楽講師)が集まるとかなりの
頻度で話題になる内容である。
 
 
そんなに危ないなら、私もしなければいいのにね(苦笑)。
教室と生徒さんとの関わり方についての提言。
嗜みが無いのでこのたび口にしよう、、、、、、、、。
 
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【風邪をひいたらプリーズ・ドント・カム!】
 
「風邪をひきました。ゲホゲホ、、、」と言いながら教室にくる生徒さんのお気持ちが、
ギター講師業を始めて二十年以上経つ現在も私にはさっぱりコンプラン・パ。
こちらにうつった後の、他の生徒さん達のレッスン振り替えなど、多くの他者への影響が生じる
現実を分かってほしい。
あとコンサート当日を風邪でむかえるのはミュージシャンにとってモスト・バッド・シチュ
エーションだということをイマジンして欲しい。
 
それからレッスン振り替えがきかない教室運営システムの場合(唐人町教室はききますよ♪)、
「モトをとれ」
と言わんばかり、高熱の子供を送り込んでくる親御さんにも再考を要求したい。
ギター講師に人権はないのか!(ああ、ないのね?、、、失礼しました)
 
 
【歳のせい?】
 
思い通りいかないのを「歳のせい」という決まった結論に持っていく人のなんと多いことか。
そりゃあ現在の私に六十~七十代の心と体の状態が分かるはずはない。
でもものごとをいっさい「歳のせい」にすることなく、着実に向上している六十~七十代の
生徒さん達も同時に見てきていると、「歳のせい」というのが何とも言い訳にしか聞こえない
のよね。
こちらが掲示したアドバイスを実行するよりも「歳のせい」にした方がそれは楽に決まって
いる。
でも原点に戻って考えて欲しい。
《楽しみたくて》ギターを始めた訳であって、《楽をしたくて》ギターを始めた訳ではない
はずだということを、、、。
繰り返しになるが、ペースはひとそれぞれでいけばいい。
 
 
【月謝のお釣り】
 
これは私自身はあまり気にしていなかったのだが、割と多くの同業者が口をそろえてブツブツ
言っていたので、軽く採り上げておく。
 
彼ら、もしくは彼女ら曰く
「月謝でお釣りを要求されたらイラッときます」
つまり額はあらかじめ分かっているので、事前に準備出来ることでしょ?ということである。
たしかに昔の”習い事”とは違う感覚で、スーパーで買い物をするかのようにお釣りを要求される
とガクッとくるのだろう(苦笑)。
それに関して私はさほど気にしてはいなかったが、、、。
生徒さんの4~5割は、毎回キチッとピン札でお持ちになるので、むしろそちらのほうに恐縮
していたくらいである。
 
要はジャパニーズ・レッスン的マター・オブ・リスペクトって感じの話?(ムチャクチャ
や、、、)
 
 
【発表会出演者は他の人の演奏を聴こう】
 
退屈かもしれない、、、。
でもひょっとしたら自分が弾きたい曲に巡り会えるかもしれない、、、。
それはあなた次第である。
 
私の考え方の一番根っこにあるのは、自分が演奏して拍手を戴いたのだから、他の出演者にも
同じように返すべきだ、ということ。
うちの教室の発表会は、楽屋での練習や指慣らしは極力お断りしている。
生徒さん達にとってはきっとシビアな状況にちがいない。
でも前提としてかなり定着してきているのは嬉しいし、この場を借りてお礼を申し上げたい。
 
 
【レッスンにおけるアドバイス】
 
「言われたことを一週間一所懸命やってきたのに、そんなことは前回言わなかったじゃない
ですか!」
と言い放ち、憤然と辞めていった生徒さん(六十代男性)がそういえば最近居たなあ。
 
ちなみにその方は、その前のレッスンの時に
「あんまり一度にたくさんのことを言われるとわけが分からなくなる」
と、おっさっていたなあ、、、(苦笑)。
 
始めて3カ月くらいだったから、まだまだノビシロあったんだがなあ、、、。
 
 
我々講師は《その時その生徒さんに最優先で必要だと思われること》をお伝えするのが仕事
なので、「前回は言わなかったこと」や、場合によっては「前回言ったのとは真逆なこと」も
言ったりする。
自分の保身よりも生徒さんの向上を最優先するのが講師として誠実な姿なのは言うまでもない。
言うまでもないはずだが、「先生っていい加減」と思う人もやはりいらっさるのである。それが
ワールドってもんだ、、、。
しかしたとえどんな形にしろ、生徒さんが辞めていくのは心がぎゅっと苦しいものである。
 
これを読んで憤然と辞めていく生徒さんがいたとしても、願わくばそのひとが長くギターを
続けていかれますように、、、。
 
 
 
そんなに心配なら書くなよ、、、俺(笑)。
 
2017.10.25.
 

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“一回きりの提言” への4件のフィードバック

  1. t.yoshimoto より:

    歳のせいにするのやめよっと(笑)   それとピン札探しておこうっと(笑)
    私は合唱祭やコンクールでは可能な限り他の団体を聞こうと最近特に思います、昨年、佐賀のある団体(結局、全国大会最優秀賞!)が九州大会で歌ったサミュエル バーバーのアニュス・デイを聞いて鳥肌が立って涙ぐみそうになった!  合唱で初めての経験でした!  音楽は常にいいものを浴びたい!
    私は先生から単に技術だけを学ぼうとは思っていません、先生の創造される音楽の一端に触れさせていただく事が楽しい!(触れても、頭で理解しても出来ん、この辛さ

    • ryuji より:

      yoshimotoさま
      「音楽は常にいいものを浴びたい!」
      私も同感です。
      東日本の震災以降は特につよくそう思います。
      では自分にとっての”いい音楽”の基準はなんなのだろう?
      評論家が権威的に「これは名曲」と言っているたぐいの有名曲ではない気が最近はします。
      「あなたは決してひとりではない」ということを静かな佇まいで伝えてくれる音楽が、最近のわたしには”いい音楽”です。
      合唱の素晴らしい体験がまたひとつ増えられたのですね。おめでとうございます。
      次のレッスン《ピン札》でなくて全然かまいませんので(笑)お待ちしております。

  2. S.Hongo より:

    お札はピン札をご用意します、おつりなしで!(違う!)
    一つのことを修練することは、今風のコンビニエンスなことではないなあ、と拝読して改めて噛み締め中であります。
    先生からお教えを受けるときに、己の知識不足(知らない分野のこと)が悩ましく思うときがあります。
    和声を知らない(理解していないので)、知らないまま国の言葉を耳で聞いて、真似しているだけになっています。
    でも、ギターがないと、音楽がないと、世界から色が消えてしまうのでありました。
    (いや、今月の発表会、がんばります!)

    • ryuji より:

      Hongoさま
      いえ、私の場合はピン札持ってこられても恐縮するだけでんがな、、、。
      知らないことでも積み重ねて損ではありません。
      ある日それらの氷をとかすお湯を手に入れた途端、全てが氷解する心地よさといったら、、、「生きててよかった~」ってなもんでっせ。
      私の手持ちの知識より高度で高級なものを手に入れるのは実は簡単なことです。いいミュージシャンに習いにいけばいいのです。
      私にしかお教えすることの出来ないものというのは、実は「私の経験してきた失敗談」ぐらいなもんで、、、。

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