- Title : フィジカル・グラフィティ
- Artist : レッド・ツェッペリン
- 75年発表
- 数あるツェッペリン・チューンの中でも特に筆者が好きな「カシミール」「テン・イヤーズ・ゴーン」などが収録されていることに加え、4人で起こす化学反応が最も多彩な広がりを見せたアルバムではなかろうか。
言い換えればさまざまな音楽上の可能性がまとまり無くとっちらかっているが故の愛聴盤。
- Title : ドリーミング
- Artist : ケイト・ブッシュ
- 82年発表
- E.コステロとの対談でトム・ウェイツ曰く「男と女は生まれつき音感が違うと思うぜ。」
スタジオで72トラック(そのうち36トラックがなんとヴォーカル・パート!)をフル使用し「女性でなければ到底描く事のできない世界」を痛いほどピュアに、またある時はグロテスクに描ききった通算4作目。
- Title : エーゲ・バミャージ
- Artist : カン
- 72年発表
- レコードに針を置いた瞬間、身体を貫いたあの戦慄!
20歳の頃、バンド活動にのめりこんでいた私が当時目指していたものの全てがこのアルバムには詰まっていた。
ホルガー・シューカイ、ダモ鈴木を擁するドイツのバンド「カン」との衝撃的な出会いはこのアルバムだった。あの日が忘れられない。
-
- Title : ジギー・スターダスト
- Artist : デイヴィッド・ボウイ
- 72年発表
- ボウイの魅惑的な声、美しいジャケット・ワーク、ノスタルジックなコンセプト、楽曲のクオリティの高さとシンプルさ、まさに名盤中の名盤。
この後少なくとも10年間は時代が彼を追いかけ続けた。
- Title : コールド・スプリング・ハーバー
- Artist : ビリー・ジョエル
- 71年発表
- 中学生の時、2つ上の兄の影響で初めてハマった洋楽アーティストがビリーだった。
兄より凝り性だった私は当時の新譜「イノセント・マン」までのアルバム全てを毎日なめるようにして聴き続けた。
それから何年も後、ギタリストとして長いスランプを経験した私は、ビリー自身の「スランプに揺れ動く心」が反映されたこのデビュー盤に共感するところが多い。
- Title : 今宵その夜
- Artist : ニール・ヤング
- 75年発表
- 私の好きな洋楽の傾向として、インストものよりヴォーカルものが好き、しかも安定したヴォーカルより危なげな人のほうが好き、、、。
という訳でニール大好き!(ルー・リードや藤波辰巳も大好き!)
ちなみに「オン・ザ・ビーチ」「タイム・フェイズ・アウェイ」も愛聴盤。
- Title : アー・ユー・エクスペリアンスト
- Artist : ジミ・ヘンドリックス
- 67年発表
- 「何をやってもカッコイイ人」の条件って何だろう、、、。
映画「ウッドストック」のディレクターズ・カット版DVDを観ているとフェスの最終日、ジミがステージに登場するシーンが映っていた(本編ではこの部分はカットされいきなり演奏シーンだった)。
客席の誰かが叫んだ「ジミ、愛してる!」薄ら笑いを浮かべたジミが余裕の一言「わかってるさ、、、。」
- Title : ウィップラッシュ・スマイル
- Artist : ビリー・アイドル
- 86年発表
- 自身のルーツであるパンクの攻撃性を維持しながらも、様々なスタイルをミックスさせ、独自の音楽を作り上げる事に成功した3rd。
盟友スティーヴ・スティーヴンスとのコンビがひとつの頂点に達した、深みとコクのある一枚。
- Title : ドック・アット・ザ・レイダー・ステーション
- Artist : キャプテン・ビーフハート・アンド・ザ・マジック・バンド
- 80年発表
- F.ザッパの音楽を聴いていると、曲の構成上の様々な仕掛けや、メンバーの演奏テクニックの誇示が時として鼻につくが、彼独特のブラックユーモアを打ち出す時、それらはどうしても必要な表現手段なのだろう。
一方ビーフハート隊長の音楽は、ロウテクのふりをする事によってパンクなアヴァンギャルド性を獲得している点が同じブラックユーモアでも対照的。
私はこっちが好み。
- Title : オーケストラ&ボイス
- Artist : エンニオ・モリコーネ
- 71年発表
- 映画音楽界の巨匠、E.モリコーネがB級映画(失礼!)の為に作曲した珠玉の楽曲を、モリコーネ自身がリアレンジ、お蔵入りから救い出した名盤。
この時期のモリコーネ・サウンドに欠かせぬ女性歌手、エッダ・デル・オルソによるあたたかいスキャットが限りなく心に寄り添う、一生大切にしたいアルバム。
- Title : リーブロ
- Artist : カエターノ・ヴェローゾ
- 97年発表
- アフロ・ブラジルなグルーヴにのせて、エレクトリック・ワウ・ギターや十二音技法、はたまたラップによるアヴァンギャルドな楽曲が炸裂!
かと思えば一転して穏やか且つ伝統的なブラジル音楽のアプローチに戻ったり、複数の欲求が同時に満たされる何ともおいしい一枚!
- Title : 今宵楽しく
- Artist : イヴァン・リンス
- 77年発表
- シャンソン歌手の伴奏をつとめたり、アレンジャーとしてもご活躍のピアニスト、熱田公紀さんとシャンソン・コンサートの楽屋でいろいろ話をしていたときのこと。
話題は高橋悠治からカエターノに及び、ふと熱田さんが「イヴァン・リンスは聴いた?彼の作曲やアレンジは素晴らしいよ」とすすめて下さった。
早速CD屋さんに行って買ったのがこのアルバムで、以来虜となった。
なんとマイルスは生前I.リンスの楽曲で一枚作る計画があったとか、、、。
- Title : ドッツ・アンド・ループス
- Artist : ステレオラブ
- 97年発表
- 20代前半バンド活動を共にした私にとっての兄貴分、伊藤史厳氏はバンド解散後も折に触れて、彼がその時夢中になっている素晴らしい音楽を紹介してくれる(無精者の私にとっては)非常に有難い存在。
「ロニサイズ」「ジャザノヴァ」「バトルス」など、かの人のおかげでリアルタイムで体験できた。
心地よい浮遊感に包まれる本アルバムもそのひとつ。
- Title : テンダー・プレイ
- Artist : ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ
- 88年発表
- N.ケイヴの音楽は、我々が常に血なまぐさい世界と紙一重のところで生活している、という事実を何気なく思い出させてくれる。
いわば偽善よりも「偽悪」の持つ優しさとかっこ良さに溢れたソロ通算5枚目。
「スロウリイ・ゴーズ・ザ・ナイト」「ニュー・モーニング」はバラード史上屈指の名曲。
- Title : ヴァイタル
- Artist : ヴァン・ダー・グラフ
- 78年発表
- ヨーロッパ全体の「プログレッシヴ・ムーヴメント」の火付け役を果たしたのは、「ジェネシス」「ジェントル・ジャイアント」そしてピーター・ハミル率いる「ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター」であった。
3度目の活動休止直前、「ヴァン・ダー・グラフ」と名を縮めて2枚のアルバムを発表。
全作品中もっともアグレッシヴな2枚組ライヴ盤であるが、まるで人間に放出可能なエネルギーの限界を見るような壮絶さ!
- Title : アンレスト
- Artist : ヘンリー・カウ
- 74年発表
- イギリスのバンド「ソフト・マシーン」の母体となったグループ「ワイルド・フラワーズ」を中心に起こった一連の音楽シーンをカンタベリー・ミュージックと呼ぶが、その中で最も尖った音楽を打ち出していたのがヘンリー・カウであった。
社会主義への共感から政治的メッセージも打ち出していたが、そういったことを除いても音楽として充分にユニーク且つ刺激的である。
- Title : ミラード
- Artist : バトルス
- 07年発表
- CDプレイヤーで1トラック目をかけた瞬間から、来たるべき新時代の幕開けを感じさせてくれた類まれな一枚。
ニューヨークの若いミュージシャン4人で結成されたバトルスは、デビュー・アルバムである本作から既に百凡のロックバンドとは一線を画する高度な演奏技術と探究心を兼ね備えたモンスター・バンドである。
現在は中心的役割を担っていたタイヨンダイが抜け、3人で活動中。
- Title : ヒア・カム・ザ・ウォーム・ジェッツ
- Artist : イーノ
- 74年発表
- 初期ロキシー・ミュージックで異様な存在感を振りまいていたイーノの記念すべきソロ・デビュー作。
ソロ5作目以降アンビエントな音楽へと向かっていく前の、アヴァンギャルド性を持ったポップでグラマラスな魅力のイーノがここにいる。
やっぱ私彼の声が好きなのよ、、、。
- Title : ソー・ファー
- Artist : ファウスト
- 72年発表
- まさに「反復の美学」。
AメロBメロ、そしてサビ?そんなロックやポップスの図式を鼻で笑うかのように同じ事を繰り返す。
その中を様々なマテリアルが去来する。
商業主義に背を向けてもここまでカッコ良くやれるのだ。
世のミュージシャン諸君、何も恐れる事はない!
- Title : ライヴ・アラウンド・ザ・ワールド
- Artist : マイルス・デイヴィス
- 96年発表
- 帝王マイルスのバンドを去来したミュージシャンは数知れない。
しかもそのいずれもが、超一流の怪物ミュージシャンばかりだった。J.コルトレーン、B.エヴァンス、W.ショーター、T.ウィリアムス、H.ハンコック、K.ジャレット、J.スコフィールド(やめた、数えきれん、、、)。
それらの事実を踏まえた上で敢えて言うが、私は晩年のラインナップが大好きだ。
このアルバムはマイルス晩年の世界ツアーの音源を集めたものだが、まるでひとつのコンサートを聴いているかのように流れが良い。
マイルス入門としてもお薦めの一枚。