“責任”とれますか?

 

巷のニュースでよく目にする【責任問題】や【謝罪会見】のたぐい。
最近ふと考えたのだが、”責任”というものは果たしてとれるものだろうか?
昔から日本社会に存在するものではあるが、その実態は本当にあるのだろうか?

「いい歳のおっさんがこんな常識的なことを疑問に思うのか!」と考える方もきっといらっしゃるに違いない。
だが正直に言う。わたしにはわからない。

そもそも誰に対し責任をとるのか、、、
特定の個人に対する場合もあれば、不特定多数の集団に対する場合もあるだろう。

では次
どうすれば責任をとったことになるのか?
謝罪や賠償、進退如何によって、被害を被った側が気が済むかどうか、、、。

それで気が済まない場合は?
当事者間においては「責任をとれなかった」ということになる。

だが本当は気が済まないケースであっても、”勝訴””賠償””懲役””辞職””謝罪”などの形式で不承不承カタをつけるのが現実だ。
それってつまりは感情を相手にした問題ではないか?とすると集団相手の場合は感情が複数あるため限りなく不可能にちかいかもしれない。
(当事者でない”世論”はとりあえず無視して考えたい)

責任をとることが本来無理だとしたら、その事実を認めて受け入れた方がむしろ感情はもやもやしないのではなかろうか。
「私が責任者です」「責任をとります」などと言うのは単に形式であって、その所在をはっきりさせることにのみ意義があり、確実に責任をとる方法なんて本当の意味ではありはしないのだ。

私は他者に対し責任はとらない(とれない)し、責任を他者にも求めない。
なぜこんなことを考えるのかというと、例のコロナの件だ。
私が開催するコンサートやイヴェントの会場で万が一感染したとしても私には責任がとれない。とれないものはとりようがない。

仮にコロナが感染しなかったとして、インフルや結核が感染した場合はどうだろう。
やはり責任とれない。同じように命にもかかわる問題だが、そこは現在論点にはならない。今はコロナの動きが一番の関心事であるよう報道の力で動かされている。
本来とれないものなのに「責任がとれないなら開催するな」という論法はそれ自体がおかしくないか?
仮に私が「責任とってギタリストやめます」と言うことで、感染した人が溜飲をさげるのであれば、多少は意味があるかもしれない(でもそれで感染者が健康になるとも思えない)。
そもそもこのことが”開催側の責任問題だ”という議論は今まではまるでなく、今回コロナによって初めて持ち上がった事であることは強調しておきたい。

それだけ多くの人が責任の所在を明らかにしようとするのは、やり場のない気持ちの捌け口(攻撃する対象)を求めているとしか思えない。”目に見えない脅威”という意味では、震災後の福島と似た状況に晒されているのだから気持ちはわからなくもない。
だが福島の方が実際問題としてはるかに深刻だ、とも私には思える。

 
コンサートを”自主的”に延期や中止にして、その時期の生活に我々自営業者が支障をきたす場合「政府や国に責任とって欲しい」とは全然思わない(そうなると「同情するなら金をくれ」というだけの話にいきつく)。
ただ延期や中止を今後”要請”された場合は「やだね」と言ってお縄になるか、生活に支障をきたしながらなんとか生きていくかは、様子を見ながら柔軟に決めたいと思っている。

わたしが主催するイヴェントに関してはここではっきり宣言する。
「責任は一切とれませんし、とりませんので、来たい方はそのつもりでお越しください」

ただ私にとって目の前のお客様が大切なのはいつもと変わりがない。
だからこちらで出来る精一杯の対策と準備はするつもりである。
それはこちらの個人的な気持ちであり、”責任として”やるわけではない。

様々な情報が飛び交う中、《他者が自分と同じだけの気遣いをしていない》ことを怒りをもって糾弾する人がネット上には溢れている。今回のブログ内容も私に対して腹を立てる読者も当然いるに違いない。
他者のモラルに介入しようとする”正義感”は苛立ちを量産する。
今回の件、わたしは個人レベルで冷静に対処してゆきたいと考えている。
そして他のひとの対処の仕方には介入したくないと思っている。

2020.3.5.

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