”コンサート”(その1)

 

寒いですね、みなさま、、、。

寒さに弱い2月生まれのギタリスト、松下です。

もういっそ冬眠したいこの季節、やけくそでもいいのでバロック音楽を聴きに来ませんか?

というわけで、突然CMのコーナーです(笑)。

 

『バロック音楽のひととき~リコーダーとリュートの調べ~』

来たる2月12日(日)お昼の二時開演(開場一時半)。出演は九州リコーダー界を牽引する

大坪由香先生と、今後通奏低音奏者として活躍してゆくであろうリューティスト、太田耕平さん

のおふたりです。

チラシで予告していたヘンデルはなくなりましたが、ダウランド、パーセル、クープランなど

メジャーどころ(?)のほか、イタリアのテッサリーニ、G・A・バンドルフィ・メアッリなど

聴きどころ満載のプログラム。

 

このお二人の素晴らしいのは、素晴らしい演奏技術と豊富な実践経験を持ちながらも、ご自分

たちが心底好きな曲をいかに皆さんに「こむずかしくないカタチ」で提供出来るかを真剣に

模索されてあるところ。すでに念入りのリハーサルを重ねてあるご様子、、、これだけ素晴

らしいおふたりが、このたび本気でぶつかってきます。すごいことですね。尊敬します。

 

場所は福岡市中央区唐人町商店街の中の ”甘棠館show劇場” 。一般前売2,500円(当日

500円up)。お問い合わせは092-733-6240唐人町ギター教室まで。

あさってですぜ。

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”コンサート” というものについて日頃から感じていること、考えていることをこのたび

思いつくままに書いてみたい。

 

これまでも度々言及していることでもあり、繰り返しになるが私にとって”コンサート”とは

《主催》《演奏》《お客さん》の三位一体により成り立っているものである。

そのいずれも経験している観点から言わせて戴くと、それら三者の関係は対等であり平等で

あるのが私にとって ”理想のコンサート像” である。

つまりどれかひとつが抜きんでてエライわけではない。

それを勘違いしたところに日々トラブルやクレームが発生し、三位一体はガラガラと崩れ、

結果の印象として「なにかが足りない」コンサートとなってしまうのだ。

 

『主催者』は《演奏》と《お客さん》に敬意をはらうべきで、『演奏者』は《お客さん》と

《主催》に敬意をはらうべきで、『お客さん』も《演奏》と《主催》に敬意をはらうのが

コンサートにおける理想の関係である。

自分の立場からの本音を言うことが結果「相手に敬意をはらう」ことにつながる場合もあれば、

逆につながらない場合もあるので、そこは慎重に、、、。

”本音で語ること” が常に ”うつくしいこと” とは限らない。

 

 

《主催者側によくある勘違い》

 

「みなさんが知っている曲をやってください」

演奏の仕事をしている人間なら主催者からこのように言われた経験を誰しもお持ちであろう。

私はこの要求を受けるたび、正直イヤな気持になる。

何故ならその要求を受けるということは『禁じられた遊び』と『アランブラの思い出』以外の

クラシックギター・オリジナル曲を封じられたも同然なのだ(苦笑)。

そもそも「みなさん」ってのがひとりひとり違うという現実を、この要求は無視している。

要求に答えた結果として、編曲ものを大量投入することになるのだが、それでもかつてこういう

ことがあった。

 

 

ある小さな場所でのサロンコンサートだったが、初めての場所でもあったし、クラシックギター

のオリジナル曲は3曲にとどめ、「七つの子」「浜辺の歌」など日本の童謡のほか「サウンド・

オブ・ミュージック」「ラスト・ワルツ」「カモンナ・マイ・ハウス」など選曲し、9割以上の

お客様には大変好評であった。

しかしひとりだけ、あるお客さんが「もっと知ってる曲があったらよかったのに、、、」と

終演後、主催者につぶやいて帰られたそうな、、、。

 

それはもちろんその方の個人的感想だから全然かまわないし、その方を満足させられなかった

のはひとえに私の力不足なのだが、そのお客さんの本音はおそらく《知ってる曲が少な

かった》ことが不満ではなく、「ギターのコンサートと聞いてきたのに私のイメージしてたのと

違った」「もっと演歌をやってくれるのかと思ってたのに、、、」というものか、あるいは

知ってる曲でもアレンジがモダン過ぎて、知ってる曲を聞いた気がしなかったのであろう。

 

こまったのは主催者が9割以上の好評よりも、そのひとりのツイートを言葉通りに受け止めた

ことである。

「次回やるときはもっと知った曲を入れてください」

 

お客さんを集客する立場としてはわからないではない。

だがそこは、主催者はミュージシャンを信頼して、毅然としてて欲しい。

「このミュージシャンはお客のことを全然考えずに選曲してるな」と思えるミュージシャンとは

主催者として仕事を共にしなければいいだけの話だ。

私の言ってることはおかしいだろうか?

 

(つづく)

 

 

カテゴリー: エッセイ, 明日のギター演奏の為に   パーマリンク

”コンサート”(その1) への8件のコメント

  1. t-yoshimoto より:

    選曲に一定の配慮しているプロに対して失礼極まる!  主催者なりに多くの演奏家の中から、その演奏家を呼んだ理由に自信というか、プライドを持って欲しいですね。
    一人、二人の意見に迎合するようでは、(いくらその方が常連さんで大切な方だとしても)その方の商売はうまく行かないですよね

    • ryuji より:

      T-yoshimotoさま

      おそらくなんの世界でも起こりうる事だとは思います。
      まったく配慮に欠けたというか、エゴイスティックなプログラムを組むプロの演奏家も実際いますからね。
      いや、ちがう、、、たぶんプログラムや曲に罪はなく、お客さんを配慮した提供の仕方が重要だと思うのです。

      演奏家が『その曲が好き』で選ぶのは当然のことですが、さらに大事なのは『お客さんがそれらをどう受け止めるか』を演奏家なりに想像しようとするかだと思います。

      そういったプレイヤーが増えることで今後「主催者」や「お客さん」との信頼が各地域で高まっていくと良いなーと思います。

      • t-yoshimoto より:

        主催者は自分が選んだ演奏家を通じて、音楽を通してメッセージがある筈です。  そうでないと意味ないですよね。 さしずめ今だったら、お客の皆さん!さあ春だ! すべてのものが動き芽吹く春だ! 書を捨て街へ行こう!とかの(おっと寺山修司風でした(笑))
        メッセージで演奏してください、とお願いするとか。

        • ryuji より:

          t-yoshimotoさま

          そうですね。そのようなコンセプトの提案はプログラムを組み立てる上で言っていただけるとありがたいですね。

          私の場合コンセプトが思いつかなくて困った時は「愛奏曲集」というのをよく使います(笑)。

  2. Masamiより より:

    私は、あえて演奏家の選んだ曲を聴きたいし、聴いて欲しいと思っています。その中には勿論知っている曲もあるでしょうが、初めて聴く曲との出会いが楽しみなんです。なにかしら演奏家の旬とでもいうか、メッセージを感じるのではないのでしょうか。でも知っている曲を聴くとホットするのは確かですね。バランスかな、、、

    • ryuji より:

      Masamiさま

      コメントいただき有難うございます!私もバランスだと思います。

      演奏家が『お客さん』という他者の気持ちを推し量りながらプログラミングしたものか、そしてその結果として「知っている曲」が入ったりすることでそれがどう作用するのか、、、その点に関して、演奏する人間はある程度自覚的じゃないといけないと思うのです。

      『リサイタル』と銘打ったものは、プレイヤーのある種「研究発表」のように、自分がやりたいものをやってもいいと思いますが、私が『コンサート』としてやる場合は、お客さんと主催者の気持ちに配慮する比重がより強くなります。とは言いながら、その中で目一杯プログラミングを楽しむのですけれど、、、(笑)。

      「初めて聴く曲との出会いが楽しみ」というお言葉には、演奏家として本当にありがたい、救われるものがあります。
      その優しさを肝に銘じながら、皆さんにとって有意義で楽しめる時間となるようなプログラムを日々考えてゆきたいと思います。

  3. S.Hongou より:

    バロック音楽のひと時

    素晴らしい時間をありがとうございました。
    大坪さんのリコーダー、太田さんのテオルボ&リュート、堪能させていただきました。

    知らない曲を聴くことができ、そうしてその曲が、自分へ真っ直ぐに入ってくると、とても嬉しい気持ちになります。
    今日のコンサートは、そんな気分です。

    演奏のお二方、主催の先生に、深く感謝であります。

    ありがとうございました。

    • ryuji より:

      Hongouさま

      本日は『バロック音楽のひと時』にご来場くださいましてありがとうございました。
      「ギターファン」を越えた「音楽ファン」として、いつもコンサートに足をお運びくださり嬉しく思います。
      今日は主催者として「寒いなかご来場くださったお客様」「コンサートに誠実に取り組んでくださった演奏者おふたり」に心から感謝です。

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