クラシック以外も聴けってば!


Title   : ビルディング・ザ・パーフェクト・ビースト
Artist : ドン・ヘンリー
84年発表
アメリカを代表するバンド「イーグルス」でドラム叩きながらあの名曲「ホテル・カリフォルニア」でリードヴォーカルとってたあの人のソロ第2弾。
クオリティの高い楽曲に乗って流れるドン様の声質はクールだが表現は熱い。
まるでコンプレッサーがかけられた様な「汗臭くないクールな熱さ」が時代の流れとマッチしたヒット作。

Title   : リッド・オブ・ミー
Artist : PJハーヴェイ
93年発表
女性である事の苦しみ、喜び、痛み、そういったもはや「感情」というより「感覚」を赤裸々にぶつけてくるアーティストがPJハーヴェイである。
プロデュースを担当したS.アルビニとの衝突から、のちにこのアルバムのデモ音源をそのままCD化した「4Track Demos」を発表し喝采を浴びたが、「ナマの感覚、ナマの素材」と「作品」って別物だと思うのよね、ボク。
「最高の煮魚」出したのに「やっぱ刺身っしょ!」ってけなされるのってなんか理不尽だと思わないか?(笑)

Title   : コンシャスネス
Artist : パット・マルティーノ
74年発表
(自分ができないということもあるが)私は速弾きが好きではない。
ギタリストが数人集まると「速弾き談義」に花が咲く事がよくあるがそんな時、女性達はすっと席を立っていなくなってしまう。つまり「速弾き信仰」「マッチョ嗜好」はゲームと同じで男性特有のビョーキなのだ(自覚しているか?お前ら)。
そんな私が速弾きで魅了された数少ないアルバムがコレ。
「ジャズ」を飛び越え「フュージョン」にも「プログレ」にも聞こえる。

Title   : ニーナとピアノ
Artist : ニーナ・シモン
68年発表
「ギタリストとピアニストはとかく音を弾き過ぎる。」と言ったのはマイルス・デイヴィスだが、どちらの楽器もハーモニーを担当する事に加えて、表現の基本が「線」でなく「点」であることが原因の一つとなっている気がする。
N.シモンのピアノ弾き語りを初めて聴いた時、ピアノの音数の少なさ、そしてその少なさゆえの「表情の豊かさ」に心をわしづかみにされた。
J.ブレル「デスペレット・ワンズ」のアレンジの大胆さにも舌を巻く。

Title   : つづれおり
Artist : キャロル・キング
71年発表
どんなロック、ポップスの名盤ガイドにも必ず顔を出すアルバム、というのがある。
「好き嫌い」を超えて名盤だと認めざるを得ないような,強力なブレないパワーを持ったアルバムがこの世には確かに存在する。そして後の世から見るとそれらのアルバムは、歴史の転換点にあたかもマイルストーンであるかのように強力に輝いている。「サージェント・ペパーズ~」「クリムゾンキングの宮殿」「ジギー・スターダスト」「狂気」そして「つづれおり」、、、。

Title   : シングルマン
Artist : RCサクセション
76年発表
大学を1年で辞め実家を出た私は念願の「バンドマン生活」を始めた。
朝昼は倉庫内作業、夜は仲間とスタジオ練習、という日々が4年続いた。
「俺たちの音楽コレでいいのか?」「収入面をどうしよう?」「将来結婚できるのか?」先の見えない不安を抱えて、それでもやめたくなかったバンド活動、、、。
そんなバンドマンの心にこれ以上沁みるアルバムは無かった。
レヴェルは違えど本アルバム制作当時のイマーノ先生の心境も同じだったはずだ。
まさにナイーヴの極致。

Title   : スティッキー・フィンガーズ
Artist : ザ・ローリング・ストーンズ
71年発表
ロックというものは若者の音楽だろうか?
第2次大戦後から1990年代頃まではそうだった。それまではロックミュージシャンが(年齢的に)年老いてゆくという状況は誰も見たことが無く、今まさにリアルタイムで直面している事なのだ。ミュージシャンサイドだけの話ではなく当然ファンの高齢化もすすんでくる。聴く対象を若者(あるいは年寄り)だけに限定してメッセージを発している作品は時と共に色褪せる。制作時ミュージシャンがピュアに、あるいは貪欲に自己、他者を掘り下げたものは普遍性を伴い、輝きを失う事は無い。

Title   : ブルータートルの夢
Artist : スティング
85年発表
「涼しい」という言葉がこれ以上似合うアルバムが世にあろうか。
ポリス時代にも非常にクオリティの高い楽曲を次々と放ったスティングが、当時最高の若手黒人ジャズメンを集めて作り上げたソロ第一弾。
演奏力の高さ、曲の良さ、美しいジャケットデザインに加え、歌詞にところどころ政治的メッセージも盛り込むなど、当時のロック界で考えうる限りの「クールさ」を詰め込んだ一枚。

Title   : ひらく夢などあるじゃなし
Artist : 三上寛
72年発表
三上寛の存在に初めて「遭遇」したのは20代の前半、寺山修司監督、脚本の映画「田園に死す」(74年公開)を通じてだった。
その後本作を聴くに及んではじめは爆笑、そののち吐き気を催し、最後には悲しい気分になった。友川かずきと三上寛、2人に共通しているものは、「はじめのインパクト」を通り過ぎた後対峙させられる「真剣すぎるまなざし」である。
逃げ場は何処にもない。

Title   : ウィンターソングス
Artist : アート・ベアーズ
79年発表
カンタベリー・ミュージック・シーンに燦然と輝く傑作アルバム。
しかし万人には勧めがたい。(スラップ・ハッピーの女性ボーカリスト)ダグマー・クラウゼの狂気の声、(ヘンリー・カウの屋台骨)フレッド・フリスとクリス・カトラーによるこれ以上ないほどに研ぎ澄まされたソリッドな音(ロック・ミュージシャンがハンス・アイスラー的世界をやっている、と言えば想像つく?)。
まさに耳がヒリヒリするほどの緊張感、あなたには耐えられるだろうか?

Title   : フールズ・メイト
Artist : ピーター・ハミル
71年発表
英国を代表するプログレ・バンド「ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター」のヴォーカリスト、ピーター・ハミルのソロ第一弾。
収録された楽曲はいずれもポップでかつ美しく、プログレ的展開を見せる大曲はここには存在しない。バンドではやはりパブリック的、ソロ活動ではプライヴェートな側面が自然に浮かび上がってくる気がする。
全12曲中6曲にロバート・フリップのギターがフューチャーされているのが何ともステキ。

Title   : ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ
Artist : ヴェルヴェット・アンダーグラウンド
67年発表
知り合いのトランペッター、Wさんと飲みながらこのアルバムの話が出たとき「でもあれってサウンド的に革新的な部分って何もなかったよね~」と言われた。
確かにそうかもしれない。じゃあ私はこのアルバムの何が好きなんだろう、、、。
60年代にしてロックに「退廃的感覚」を持ち込んだことかな?
しかしJ.ケイルの病的感覚、その場にいるだけで退廃オーラ全開のニコ、この二人が抜けてゆくにつれ、サウンドの毒気も抜け、末期ヴェルヴェッツは「カントリー愛好会」のようなサウンド(単にサウンド面だけの話よ)になったのは確かである。

Title   : マーキー・ムーン
Artist : テレビジョン
77年発表
ギタリストとして話をしたい。
今までいろんなエレキ・ギタリストに憧れ、コピーしてきたが、トム・ヴァーラインのギターは音が非常に採りにくかった。なぜか?
おそらく彼のプレイは即興性や「指癖」に頼った部分がなく、きっちりと計画され「作曲されたもの」だからだ、という気がするのである。つまり私にとってこのアルバムは、計画性のみが醸し出せる「アンサンブルの妙味が最高!」な一枚。

Title   : 太陽と戦慄
Artist : キング・クリムゾン
73年発表
「プログレの歴史的名盤」と呼ばれる本作が、プログレという括りから最も自由で遠いところにいると思えるのは私だけだろうか。
「壮大なもの」「神秘的なもの」「難解なもの」「危険なもの」を、ここまでポップにやりおおせた事に、本作の凄みを感じるのは私だけだろうか。
ただこのアルバムを聞いた時、メンバーの誰にスポットが当たるわけでもなく、全員が「音楽そのもの」に身を捧げ、一丸となって進んでゆくさまに感動するのは私だけではないはずだ。

Title   : オペル
Artist : シド・バレット
88年発表
作曲家の西村朗氏が以前対談でこんな事を言っていた。「天才的な作曲家の場合、自分と音楽とのあいだに距離がとれなくて、そのまんまが出てきてしまうことがある。その時に作曲家としての達成感などあるはずがなく、それは悲劇だ。」
ロック界でその言葉が一番当てはまるのは、あの「ピンク・フロイド」のオリジナルメンバーであり、リーダーでもあったシド・バレットその人だろう。
西村氏はこうも言っていた。「悲劇は美しい」。

Title   : ロンドン・コーリング
Artist : ザ・クラッシュ
79年発表
世に名盤と呼ばれるものには、聴く前に多少の「心の準備」もしくは「覚悟」を要する物も多い。何故なら名盤制作の影には必ず何らかの「迷いや葛藤」が存在してたりする。そしてミュージシャンがそれを乗り越え、しかも作品そのものが時代の数センチだけ先を行っているという絶妙なバランスの上に「名盤」というものは成立しているものなのである。
にもかかわらず、名盤の中には日常において何気なく聴けるような「気軽な名盤」というものも存在する(まさに本作!)。ありがたや、ありがたや、、、、。

Title   : ナウバ
Artist : ケント
96年発表
フランス人シンガーソングライター、ケントによるソロ通算8作目。
もちろんどうでもいいことだし、あまりに個人的過ぎて理解してもらいたいとも思わないのだが、ぼくにとっての(あるいはボクが経験した)パリは、91年作の映画「ポンヌフの恋人」に描かれているような下水と香水の匂いの混ざった、薄汚いおしゃれな街であり、ケントのこのアルバムを貫いているような、安ワインと(アラブ人の売る)焼き栗のテイストを湛えた、ごちゃごちゃに片付いてる街なのである。
嫌い過ぎてまたいつか行ってみたい街、、、。

Title   : アット・ザ・サウンド・オブ・ザ・ベル(条件反射)
Artist : パブロフズ・ドッグ
76年発表
バンドマン時代、バイトの給料が出たらその足で駆け込む福岡市内の中古レコード屋さんがあった。名前は「セヴンティーズ・レコード」(その後店舗は火事で消失、現在は中央区大名にある)。店主はマッド矢野という頑固オヤジ。本当にいろんな音楽を教わった。このレコードを購入し、針を置いたら冒頭メロトロンのサステインに続き、男か女か分からないほどのハイトーン・ヴォーカル(つまり男デス)が飛び込んできて面食らった覚えがある。しかしゲスト参加でビル・ブラッフォード、マイケル・ブレッカー、アンディ・マッケイとはどういう人脈図だ?(笑)

Title   : ベルリン
Artist : ルー・リード
73年発表
ルーの歌いっぷりを理解するには、ルーご本人の弁明に耳を傾けるのが一番だ。
「ぼくがやってるのは歌じゃない。ドラマチックな朗読なんだ。」
ソロ3作目に当たる本作で、ルーは大戦前夜の「頽廃と背徳の都」ベルリンを舞台に、ひとつの悲しい物語を語り続ける。8曲目の「子供たち」で物語はピークをむかえ、そのまま悲劇へと突入していく。だがラスト10曲目の「悲しみの歌」により全ての悲しみが洗い流され、浄化されてゆくさまは真に感動的。

Title   : ファースト・アタランス~魂の叫び
Artist : コウマス
71年発表
このホームページを制作してくれている合同会社コアファクトリー社長のS氏とは20年以上の付き合いである。彼は私より若干若いが、好奇心とヴァイタリティに溢れた魅力ある人間で、いろいろ教えられる事が多い。
若かったある日、独り暮らしの私の部屋に入ってくるなり一言「松下さん、何かドロドロしたの聴きたいんすけど何かないすか?」。変なこと言う奴だと思いつつ、取り敢えず本アルバムをかけたとたん彼は笑いが止まらなくなった。「何すか!これ?」そんなアルバムである。

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