偉大な人は意外に近くに・・・

2009年3月28日,生涯その日付を忘れないようなコンサートを経験した。

私の敬愛する二人のギタリスト、鈴木大介、田口悌治とのトリオコンサート。

場所は天神ソラリアステージの西鉄ホール。

当時の私にとって、この夢のようなコンサートを企画し、実現してくれたのは、

いつも兄貴分のように私の活動を助けてくれる大久保徹氏。私があのコンサートを

忘れられないのは、あの日以前と以降で気の持ちようがガラリと変わったからである。

おそらく人生で何度もある経験ではない。本当に大久保さんには生涯頭が上がらない。

 

前半が各自のソロ&総当りのデュオ。後半はすべてトリオ演奏。

後半のアタマは田口さんのオリジナル曲で、ジャズワルツの曲だった。

高校の頃からジャズに親しみ、渡辺香津美、マーティン・テイラー等ジャズギター界の

巨匠とも共演を果たしている鈴木君から事前リハの時「すべての拍を常に三連符の

意識で埋めながら演奏したら・・・」とアドヴァイスを受けた。なるほど、そうか!

ありがとう・・・

数日それで練習したある日、田口さんの片腕的存在である素晴らしいべーシスト、

丹羽肇さんと飲むチャンスを得た。

トリオコンサートを目前に控え落ち着かない私は、丹羽さんにその三連符の話をし、

「丹羽さんくらいのキャリアの方になったら、数えなくても演奏できるんですよね、

きっと・・・」

と何気なく言うと、丹羽さんが即答

「いえいえ、とんでもない!ちゃんと数えます。演奏中はいつも数を数えてばかり

です。」

その言葉を聞いて私は自分のそれまでの勘違いに気付いた。

リズムの良いプレイヤーや、良いプレイをするミュージシャンは、いろんなことが

無意識で出来る人だと勝手に思っていたのだ。ちゃんとしたミュージシャンほど、

色んな事にアンテナを張り、意識をめぐらせて、しっかりと数を数えたりしている

というのに・・・。

 

 

田口さんからは本当にすばらしい演奏を何度も聞かせていただいたし、貴重な

アドヴァイスもたくさん戴いた。

非常に印象に残っているのは、アレンジする時のテンションの可能性について

話していた時だった。その時期私のギターアレンジはなんとなくマンネリに陥って

いる感じで、それまでと違う感触を求めていた。今振り返ると、楽に押弦出来て

かつ効果的といったコード(開放弦をうまく入れたり)ばかり使っていたのだ。

こんな響きもありますよ、と田口さんがギターで示してくれたコードが、非常に

押さえにくい(左手指がツリそうな)フォームだった。

「うわーっ!厳しいっすね、これ・・・」

私の口から思わず出たヌルい一言を聞いて、田口氏は即座に、しかししっかりと

確信をこめていった。

 

「厳しい美しさがありますね。」

 

 

 

 

あれは心に響きましたね・・・・。

なるほど、私に足りないのは“それ”だったんだ・・・・。

 

2012・11・9

カテゴリー: エッセイ, 生活の中の音楽 音楽の中の生活   パーマリンク

偉大な人は意外に近くに・・・ への2件のコメント

  1. kaname hiyoshi より:

    文才もあるんですねー。さすがです! お邪魔しました♪

    • ryuji より:

      hiyoshiさん、コメント有難う。

      また君のドラムとplayできる日を
      楽しみにしております。

      「shi-no-butoh」忘年会やりましょう!
      とりあえず、ピカイア・パンデイロ・スペシャルの
      ライヴよろしくね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)