年下のミュージシャン達

 

最近気がついたのだが、今年に入ってから、自分より年下のミュージシャンとの共演や交流の

頻度が高い。

そういえば今までの私は、どちらかというと自分より年上の経験豊富な先輩に食らいつき、

吸収しようとしてきた。

その姿勢と気持ちは変わることなく今後も続いていくに違いないのだが、近頃どうも自分の

近辺で年下ミュージシャンから受ける刺激が多くなっている気がする。自分もそれなりに年を

食ってきたという事だろうか。

私が出来ないことを出来るミュージシャンに対しては、もちろん年上年下にかかわらず無条件に

尊敬してしまうのだが、、、。

 

ここ最近共演した、あるいは交流のあったそんな”年下ミュージシャン達”を、紹介がてら幾人か

挙げてみたい。

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【山田 賢】

今年3月に、うちの教室主催のコンサートで共演させて頂いた姫路在住のギタリスト。

作曲や編曲を巧みに手掛け、20代後半にして既に自分の音楽世界を持ち合わせている。

そこで表現されるユニークな音世界は、世界各地で生まれているムーヴメントを現在進行形で

貪欲に吸収し、共鳴、呼応していることを雄弁に物語っている。

彼にとっておそらく《ギター》は音の素材に過ぎないが、もっとも身近な素材であることは

疑い無い。

 

 

【山下 紅弓】

”あの山下和仁氏のご長女”ということを抜きにしても、おそらく彼女の演奏は私に特別な何かを

投げかけてくる。

同じ長崎出身(福岡在住)のギタリスト、橋口武史氏を通じて知り合い、来月6日にご一緒する

機会を戴いた。先日3人で初めてのリハーサルをやったのだが、未だに底が見えない。

当日ステージで共有できるものを今からとても楽しみにしている。

 

 

【太田 耕平】

彼は福岡出身のギタリスト”だった”。

イタリアの巨匠、ステファノ・グロンドーナ氏のもとで7年間研鑽を積み、卒業後ドイツの

フランクフルトに移り、リューティストの今村泰典氏のもと古楽演奏についての見識を深め、

通奏低音奏者としての実績を重ねた。帰国後は福岡に居を構え、教室運営と同時にリューティ

ストとしての活動を全国的に展開している。

実は先日、意を決して彼の門を叩いた。バッハの曲の手ほどきを受けたのだが、「この作品の

どこがユニークか?」「通奏低音奏者から見た演奏アプローチの可能性」という2点を中心に、

未だかつてないほど、非常に有益なアドヴァイスを頂戴する事が出来た。

 

 

【弓場 さつき&加藤 優太】

現在のオカリナ界若手筆頭の弓場さつき氏と、セゴヴィアの生まれ故郷スペインのリナーレスで

研鑽を積んだギタリスト加藤優太氏のおふたりは、今月ニュー・アルバム『Colorido』を発表

した。

日本のオカリナ界は、宗次郎さんに代表されるヒーリング的世界観に始まり、本谷美加子氏や

和田名保子氏のようにオリジナル作品で独自の世界を打ち出す演奏家を輩出しながら、現在

大沢聡氏がこれまでにないポップなセンスで全体を牽引している。その大沢氏のもと研鑽を

積んだ弓場氏のオカリナは、20代の若さで既に師とは別の地平に立っている。

”かわいさ”あるいは”ものさびしさ”が前面に出てきやすい《日本特有のオカリナ世界》から

彼女が脱するのに大きく貢献しているのが、加藤氏の凛としたギターの音色であり、攻めの

姿勢を保った彼の巧みなアレンジであることは疑いない。アルバムに収録されたグラナドスの

「オリエンタル」や、5つの「カタルーニャ民謡」、ファリャの「スペイン舞曲」を耳にした時

オカリナとギターのコンビネーションがここまでスペイン音楽にマッチしているという事実に

正直驚きを禁じ得ない。

 

 

【Aki Miyoshi】

私より年下といっても、40をすでに越え、世界を舞台に活躍する大阪在住のベテラン・

ギタリスト。

先日初めて福岡でご一緒し、そのお人柄もさることながら、クラシックギター演奏をベースに

しつつ、ポップスにもきちんと敬意をもって精通されてる姿勢に感銘を受けた。

理屈ではなく一緒に演奏した人間は、彼の”音楽に対するいつわりのない愛”がわかるはずだ。

現在の立ち位置としては《ソロギター・パフォーマー》というところであるようだが、やはり

同じ立ち位置で福岡を中心にソロ活動を展開してある城直樹氏や、Akiさんの友人である

アメリカ人ライアン・エアーズ氏(マーサ・マスターズの弟子)に共通しているのは、3人とも

エレクトリックによる”バンド経験”が無いこと。

これはここ近年の面白い特徴だな、、、と個人的には感じる。

 

(おわり)

 

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